作品タイトル不明
騎士団初任務
第34話 騎士団初任務
ヤマタニ騎士団は、村を荒らす狼の群れの討伐任務を受けた。
村ではすでに何頭もの羊が食い殺されているという。
「騎士団の存在価値を見せる時が来た!」
騎士団長ゴドールが声を張り上げた。
「行くぞ!」
「おおっ!」
騎士達は勇ましく出発した。
しかし——。
村に到着した時、狼の群れはすでに姿を消していた。
柵の周囲には、羊の血の跡だけが残っている。
村人が悔しそうに言った。
「最近の狼は妙に頭が良くて……冒険者でもなかなか退治できないんです。」
ゴドールは地面の足跡を見つめ、静かに言った。
「なるほど……ならばこちらが待つまでだ。」
「待ち伏せですか?」
「ああ。奴らが油断した時を狙う。」
騎士団は羊小屋の周囲に潜み、狼の襲来を待った。
そして数日後の夜。
月明かりの下、影のように狼の群れが現れた。
しかしゴドールは動かない。
「団長、今では?」
「まだだ。」
狼たちは警戒している。
「まだ引き付ける。」
騎士達は息を殺して待った。
十分。
二十分。
三十分。
静寂の中、緊張だけが流れる。
やがて狼たちは油断したのか、ついに羊へ飛びかかった。
その瞬間——
ゴドールが剣を抜いた。
「よく耐えた。」
そして叫ぶ。
「突撃せよ!」
騎士団が一斉に飛び出した。
左右からの挟撃。
狼達は完全に不意を突かれた。
剣が閃き、狼の咆哮が夜に響く。
しばらく激しい戦いが続いたが、やがて狼は次々と倒れていった。
残った数匹は恐れをなし、闇の中へ逃げ去る。
静寂が戻った。
「討伐完了だ。」
ゴドールが言うと、村人達から歓声が上がった。
「すごい……!」
「冒険者でも無理だったのに!」
「さすがヤマタニ騎士団だ!」
騎士団の初手柄だった。
しかし騎士達も無傷ではない。
一名が重傷。
数名が軽傷を負っていた。
ゴドールは静かに言った。
「勝ったが……戦いとはこういうものだ。」