軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:封印作戦、開始と……

集まったメンバーのドラゴン撮影会がひと段落したので、いよいよ封印の準備を開始。

まずはマルドゥークさん達による、大きな魔法陣を書く所から。

「【フラットフィールド】かーらーのー……えーっと、内側4人で外側が18人、ひのふのみ……はい、合ってる。【ロッククリエイト】」

【石魔法】で平らな土台を作り、そこから羊皮紙に書かれた魔法陣を眺めながらもう一度【石魔法】。

かなり広い平らな石に、魔法陣の形に溝が作られる。

内側に四角、外側に18の角を持つ図形がある魔法陣は、ものすごく厨二心をくすぐられる見た目をしていてカッコイイ。

そこに、インベントリからドーンと取り出した樽になみなみと入ったインクを【水魔法】で溝に流し込んだら、もう出来上がり。

「ほう、手際が良いのう」

「さっさと展開しないとモンハウで撃てないからさぁ」

「これを……モンスターハウスで運用なさっているのですか……?」

石で作れば、周りが戦場で暴れてても壊れにくくていいんだって。

ダンジョン召喚の時とか、複数の板に書いて組んでたのは発動後の強風で飛んでたもんね。確かに戦場だとこっちの方が良さそう。

書き上がった魔法陣の、内側の四角の角部分に【封印魔法】担当の僕を含めた4人……僕と、カステラさんと、ロンドン橋さんと、ケチャップフェアリーさんが立つ。外側の18の角の上には、MPタンク要員が立つ。

そして魔法担当とMPタンク要員には、それぞれカステラさんからマナの果実がひとつずつ配られた。

「全員食べたかー?」

「はーい」

「食べましたー」

「おかわり!」

「ねぇよ」

全員食べたのを確認して、待機要員も魔法陣の外側にグルリと配置につく。

それから結晶のハリネズミ幻獣ちゃんに、魔法陣の中央へ『滅び』が入ったどデカい結晶を置いてもらって準備は完了。

相変わらず、卵みたいな結晶の奥には、赤黒いドロリとした色がある。

「うわ、禍々しいな」

「これはヤバそう……」

最後に、カステラさんがMPを大量に増やす召喚魔法を使って、全体をチェックをした後「よし」と頷いて全員に言った。

「じゃあ確認な。今回は森夫婦が主導で、メインの【封印魔法】担当にも森夫婦がいるから、なんか起きた時は森夫婦の指示が最優先で」

「「えっ」」

「えっ?」

えっ、そうなの?

僕と相棒が思わず声を上げると、カステラさんが呆れたような声で言った。

「だって、クエスト受けたの森夫婦だし……【封印魔法】なんて1番使いこなしてるのは間違いなくそこの奥さんだから。いざとなったら【封印魔法】担当も全部まとめてMPタンク扱いしていいぞ」

ウンウン、と一斉に頷く周りのヒト達。

わー、マジかぁ……

「えーっと……変なこと言ったらゴメンね?」

「大丈夫だって、臨機応変に動ける有名クランが2つもいるから。雑に『全部倒せ』とか『なんとかしてくれ』とか言えばなんとかしてくれる」

あ、そんなのでもいいんだ?

周りを見ると、麗嬢騎士団とかモロキュウ冒険団のヒト達とかは苦笑いしているけど『無理』って反応はしていなかった。

おお、頼もしい。それならなんとかなるかな。

「いやぁ、我らマルドゥークを『臨機応変に動ける有名クラン』だなんて照れるぜ」

「お前らは入ってない」

「ええー! そんなぁー!? そんな気はしてたけど!」

「そこに人権はあるんですかぁー!?」

「うるせぇマナの果実でも食ってろ」

「あ、おかわりだ!」

続いて繰り広げられたコントみたいなやり取りにドッと笑いが広がる。

うん、この雰囲気なら派手にミスしても許してくれそうな気がする。多分。ちょっと安心。もちろんミスはしないように気をつけるけどね。

「【封印魔法】はどんなイメージで行えばいい?」

「えーっと……」

前は、既に輝石に入っている状態だから、そのまま属性で縛ろうと思ったんだけど……今回は【封印魔法】担当が増えてるから、属性も複数にした方がいいのかな……

「……ハリネズミ幻獣ちゃーん! 封印に使っていい結晶ってある?」

「これ使うトゲ!」

そう言うと、ハリネズミ幻獣ちゃんは程々の大きさの綺麗な結晶を数個投げてくれた。

それを【封印魔法】担当に配布する。

「【封印魔法】と得意な属性魔法とを混合して、この結晶から鎖か何かを伸ばして、『滅び』の入った結晶をギュッと縛るイメージでお願いします」

受け取った3人がそれぞれ納得した感じで頷いて……カステラさんが心配そうな声でロンドン橋さんに声をかけた。

「あー……検証勢は、混ぜる属性育ってるか?」

「問題ない。研究で使う【火魔法】と【水魔法】はそれなりのレベルになっている。今回は【水魔法】でいこう」

それをきっかけに、各自使う属性を確認していく。

「あー、【召喚魔法】混ぜてどうなるかわからんから、俺はそこそこ育ってる【風魔法】でやるわ」

「森フェアリーさん【風魔法】了解です。では私は【雷魔法】で」

僕が【火魔法】で、属性被りは無し。

これで、準備は全部オッケー。

「じゃあ……始めまーす」

「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」

(緊張するー!)

(頑張れ)

軍隊の指揮でも取るような気分だよ!

でもここでイメージがへっぽこになるわけにはいかないのだ。

集中して……カウントダウン。

「3……2……1……」

「「「「【ダブルクリエイト】!」」」」

発動する、それぞれの属性混合【封印魔法】

各自手に持っていた輝石から光の輪が出来て、それが卵みたいな結晶に向かって収束していく。

そして『滅び』の入った結晶を縛り上げようとした……その時。

「あっさり封印されて終わり? そんなの面白くないじゃないか」

あんまり聞きたくないけど、来るならコイツだよねって声が、聞こえた。