軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ユ:コカトリスどころの騒ぎではなくなった。

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俺も相棒も、さっさとキャトナの呪いを解いて安心したいので、昨日は準備が出来たらすぐに砂漠のサラサオアシスに転移して目的地へとネビュラに乗って走った。

道中に干物が落ちていることもなく、道程がそれなりにあるからその日は途中で終了。

そして今日。

続きを駆け抜けた俺達は、険しそうな山の麓へと辿り着いた。

「すぐ見つかるといいねぇ」

「どうかな……」

山は砂漠の隣だが、それなりに木々が生い茂っている普通の山だ。

海の砂浜と森の境目のように、山の森と砂漠の砂地との境目がはっきりしていてバイオームの境界が一目で分かる。

まずはベロニカを飛ばして、大きな水場の位置を確かめて貰った。

「どうだった?」

「……かなり危険な山ね。大きな池がいくつかあったけど、水も周りの木も毒が混ざっていそうな色をしてたわ」

「ああ、うん……モンスターも毒持ちが多いみたいだからな」

「こういう所はそういうものよ、油断するんじゃないわよ。……べ、別に心配してるわけじゃないんだからね!」

はいはい、ツンデレツンデレ。

とりあえず一番近い池に案内してもらう事にしたが、それでもたどり着くには山岳ド真ん中の窪地を目指す必要があるらしい。

ネビュラに乗って、葉脈が赤い色をした黒っぽい緑色の森を駆け抜ける。

一応獣道のようなものはあるが……ほとんど道なき道だな。

しばらく進んで……【感知】に何か引っかかったのと同時にネビュラが速度を落として止まった。

「……主よ」

「敵だな?」

「うむ、それもかなりの数ぞ」

「ん? 敵いるの?」

ヒソヒソと抑えた声で認識をすり合わせる。

そして一度ベロニカを飛ばして様子を見てきてもらい、改めて状況の確認をした。

「……目的地の水場にかなりの数のモンスターがいたわ」

「何がいた?」

「スライムと大型のカエル……それと尾が蛇になってる大きなニワトリね」

「あ、そのニワトリっぽいのがコカトリスだよ」

「ふぅん、あれがそうなの……なんかその三種類で睨み合ってたわよ?」

「ほう?」

ベロニカが言うには、コカトリスの群れとカエルの群れとスライムの群れとが三つ巴状態で威嚇合戦をしていたらしい。

たぶん様子が窺えるくらいまで近付いても大丈夫だろうと思われる、らしい。

……まぁそういう事なら。

ちょっと直接様子を見てみる事にする。

見つかったら即撤退の指示を出して、ネビュラに乗ったままそっと近くまで進んでもらった。

そして目にした光景は……

──コケェエエェェエェエエエエ!!

──ゲコォオオオォォオオオォオオ!!

──プニョニョオオォオオォオオオ!!

池の中にポイズンスライムが。

池の縁にポイズンニードルフロッグが。

そして陸にコカトリスが。

それぞれ陣取って、けたたましい鳴き声を上げまくっていた。

(うるっせぇ!)

(うん、これは田舎の動物の声で済まされない騒音)

それぞれ群れの数が多いから余計にうるせぇ。

カエルもスライムもコカトリスもビッシリと陣地を埋め尽くすような個体数が集まっている。

どのモンスターもレベルは25くらいだからそんなに強くはないが……今は睨み合いをしてるだけでも、手出しするとたぶん全部こっちに来るよなぁ……

……なんて悩んでいると、三種類のモンスターのどれとも違う、凄まじい咆哮が響き渡った。

(え、何? 今度は何?)

(わからん)

声は池の向こう。

……よく見ると、それなりに大きな洞窟の入り口が半分水没した状態で存在している。たぶんさっきの声はそこからだ。

……ズシン……ズシン……と、重量のある足音がゆっくりこっちへ近付いてくる。

そしてぬぅっと姿を現したのは、青色の大きな鱗がテラテラと陽光を反射する……ドラゴンだった。

──ガァアアァアアアァァアア!!!!

ブルースウィムドラゴン Lv50

おいマジかよ。

翼が小さくて水かきとヒレが大きな、たぶん飛ぶより泳ぐ方が得意なんだろうトカゲに近いタイプのドラゴンだ。

とはいえフィールドモンスターとしてはかなりレベルが高い。

……ここの情報は秋から更新されてないから、ドラゴンが解放されてからもしかして確認されてないのか? 水の中の洞窟にいたらパッと見で分からないし。

ドラゴンは怒り心頭といった様子でズシンバシャンと足を踏み鳴らしながら三種類のモンスター達へ近付いていく。

なかなかのド迫力だ。

だがコカトリスもカエルもスライムも一歩も引かなかった。

なんでだよ。

大きさ的には餌だろお前ら。

何故か三種類のモンスター達は、むしろ眼力には眼力で返すとばかりに目付きを鋭くし、それぞれが体を大きく見せて威嚇の構え。

どの陣営も、一匹もそこから逃げ出さず緊迫した空気の中、背景にはタンブルウィードが風でコロコロと転がっていき……

……何が引き金だったのか俺達には分からないが、突如、全陣営が一斉に吠えて一塊になるかのように飛びかかった!

((うわぁ~……))

こうなったらもう止まらない。

引っ掻いて、噛み付いて、体当たり、薙ぎ払い、毒液をかけて、石化させ、食らいついて、押し潰す。

ドッタンバッタンと大暴れの戦場だ。

(……え、僕らコカトリスの肉を狩るのに、この大乱闘会場に特攻しないといけない感じ? 四つ巴を五つ巴にして、全てを薙ぎ倒す必要ある??)

(いやそれはちょっと……)

地獄か?

どいつも単品ならともかく……全部混ざってる上にドラゴンまで来るとなぁ……

(……まだ見つかってないし、ちょっと考えよう)

(はーい……呪いの難易度、ここで調整してきた感じだねぇ)

こんな形でドラゴンと遭遇するとは思ってなかったぞ俺は。