軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

156 サポート1の秘密1

そろそろ主人公へと話を戻さないと。

エクス家では、街とは違うまったりした空気が流れているようだ。

僕は今、スライムになっている。

「あぁぁぁ、効くぅぅ」

骨抜き(スライム) にしたのは、マッサージチェア改3。スライム指圧機能、温熱ヒーターと、フレッシュエアーの涼しさが、天国へ連れていってくれる夢の魔導具。

「セーラさんって実は凄かったんですね」

切っ掛けは3日前。少し褒めたら、うきうき顔で魔改造してくれたのがこちらになります。

部品の中に、ニトラが捕まえてきたスライムが入ってて、マッドサイエンティストに進化したもよう。

そんなセーラさんは、徹夜疲れで死にそうな隈のある目で、僕のリアクションに満足すると、とても幸せそうに気絶して現在は就寝中。

起きたら、お礼に何かプレゼントしたいなと思ってる。

ぱたぱたと走る足音が聞こえたので、仕事の気配をピーンと感じた僕も寝たフリをしよう。

ぐーぐー。

「旦那さま、起きてください。お客さまが大勢お見えです」

「んあっ」

困り顔のライ姉に揺すられて、あっさり起こされた。

くすん。

なんだか外が騒がしいけど、マーラが魔王を倒すとか張り切ってたのと何か関係があるのだろうか。そういえば報酬を選べとか言ってたような。

「聞いてました?」

「んあ?ごめん聞いてる」

聞いてはいるけど、これ気持ち良すぎて動けない。いや、動きたくない。報酬は要らないから帰ってもら

「「大魔道師さまッ!お願いです。どうかっ出てきてください!!」」

野太い声が響いた。

「行きましょう!そして見せつけましょう」

熱意に負けた。

正確には興奮したライ姉が。

無理やり引き起こされたので、玄関にしぶしぶ歩いていたらふらっと転けて尻もちをつく僕。

「痛てて、何を?」

ダメだ。マッサージされすぎたせいで、歩き方を忘れたかもしれない。

ライ姉に、よいしょと再び引き起こされた。

「もちろん旦那さまの凄い所を、です」

「ええ?」

困った事に、僕の事を盲信してるからか大魔導師イベントがあると凄く御機嫌だ。

凄いのはマーラなんだけど、なんて思いながらよちよち歩いて玄関につくと、押しかけた冒険者たちの熱意は僕を見るなり冷めた。

あー、これは?

「「·····嘘だろ?やはりお前が大魔導師なのか」」

どうやら歓迎されてない空気だ。

冒険者時代を思い出す。

「僕が大魔導師エクスです。命題は延長、そして犠牲により初級魔法しか使えません」

初めての人もいるので自己紹介。

あの頃と違うのは、大魔導師と名乗った上に欠陥魔法使いとか卑屈にならくて、ちょっと成長したところ。

だから、ノーダメージ。

「僕に何かご用ですか?」

明らかに失望した人が5人。

それと、僕を見て怯えてる人が2人。あれ?えーと、なぜか見覚えがあるのに、初対面だと思う。

んー、気になる。

この2人は誰だろう?

「言いにくいんだが·····」

最後の1人、同情の色を示す人が話しかけてきた。

「貴方の弟子のマーラ様が·····」

「え?」

弟子?

「魔王フールに殺された」

「ええ?」

突然すぎて話についていけない。

「動揺するのは分かる。·····話を続けてもいいか?」

「はい。お願いします」

だって、マーラには僕のサポート1が掛かってるから、通常攻撃では死なないはずなのに。

うあっ!?

「魔王フールは強すぎた。空を飛び、悪魔と連携して2方向から強力な魔法を放ってくる。そして、ついに·····」

最悪の負けパターンが思い浮かんだ。

くそっ、そういう事か。

「食べられたんですね?」

「は?」

凄くびっくりした顔と、微妙な空気。

的外れな事を言いやがって、みたいな感じ。

「違うんですか?」

「何を言っているんだ坊主?こっちは真面目に話しているのに。いいか、マーラ様は殺されて氷漬けにされたんだぞ」

今度は、僕が首を捻る番だ。

「それは、死んでないのでは?」

おおっと、場の空気が凍りついた。

ひゃん。

「おいっ!いい加減にしろッ!! のうのうとこんな豪邸に住んで、街がピンチなのに戦場にも来ないくせに。アンタの弟子のマーラ様は勇敢に戦場で死んだんだぞ」

泣きそうな怒り顔に、冷たく言い放つ。

「案内してください」

「は??」

やれやれ、手間の掛かるマーラめ。

「マーラの所へ」

「わ、分かった。仇を討つのか?無理なら逃げても良いぞ。見直したぞ!さっきは酷い事を言って悪かった」

いや、シリアスなお顔をされてますけど、マーラはたぶん死んでませんし。

ライ姉に手を振る。

「ちょっと出掛けてくる。ルカによろしく」

「はいっ! 行ってらっしゃいませ、旦那さま」