軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

31.【魔の森】の調査に同行

俺は旧友で冒険者のリズベットたちとともに、飛竜に乗って【とある場所】に向かっていた。

「す、すげーぞジーク! 飛竜を完全に手懐けるなんて! 前より獣ノ医師としてのランクがあがってるじゃんかー!」

リズがキラキラした目を俺に向けてくる。

他のパーティメンバーたちも「飛竜に乗れてる、すげえ!」「魔獣を従えるなんて、ジークさんってただ者じゃねえな!」となんだか高評価。

しかし一方で……。

「フンッ! 獣の係の分際で調子に乗るなよ」

「そんなこと言うな【ザコモーノ】。ジークに失礼だろ」

メンバーのひとりザコモーノという魔導師は、俺に対して懐疑的な目を向ける。

「だいいちなぜ、こんな畜生係を仲間に引き入れようとするのですか、リズベット様。誇りあるわれら【黄昏の竜】にはふさわしくありませんよ」

「まあおまえもすぐにわかるぜ、ウチのジークがやべえってことをよ」

ややあって。

獣人国の外れ、北部に広がる森の入り口へとやってきた。

「ここが【魔の森】ね」

「ああ。瘴気に年中包まれ、強力な魔物が跋扈し、最近じゃ魔族の目撃情報まである。やべーとこだ」

そこの調査に、リズ達Sランクパーティがかり出されたのだという。

「わりーなジーク。調査手伝ってくれてよ」

「気にすんな。友達が危ないとこいくって聞いたらほっとけないしな」

それに魔族の動向も気になる。

魔の森は獣人国に隣接しているしな。

「やっぱジーク、おめーってやつぁほんと良いやつだな!」

リズが俺の腕にぎゅーっとひっつく。

む、胸がなんだか前より大きくなっているような……。

「リズベット様から離れろ痴れ者が!」

ザコモーノが顔を赤くして、俺をドンッと突き飛ばす。

「おいザコモーノ、ジークになにすんだよ! すまねえな、ウチのもんが」

ザコモーノが声を荒らげる。

「こんな男のどこがよいのですかっ!?」

「強くてかっこよくて頼りになるとこ」

「くっ! た、頼りになるのですか、こんな畜生の世話係が~?」

俺はリズ達に手を向けて、神の手を発動させる。

聖なる光が、彼女たちを包んだ。

「よし調査いくか。みんな、聖水もったか?」

「聖水? なんでそんなもん必要なんだ」

「ふんっ! この高濃度の瘴気中で、人間が活動できるわけなかろうが馬鹿者め!」

しかし俺は首を振って言う。

「いや、結界張ったし大丈夫だと思うぞ」

「そ、そんなバカなこと、信じられるわけなかろうが! ねえリズベット様!?」

彼女はスタスタと、聖水をかけずに森の中に入る。

「ほんとだ! 普通に活動できるぞ!」

「なっ!? なにぃ!?」

残りのメンバー達も森の中に入るが、普通に呼吸できていた。

「ほんとだ全然平気!」「ジークさんまじすげえーっす!」

うぐぐ……とザコモーノが歯がみする。

「さんきゅージーク。おかげで聖水を節約できたよ。これ高いうえに数少ないからな」

「気にすんな。それよりさっさと行こうぜ」

森の中は紫色した靄が全体にかかっている。

これが瘴気、人体に有害な毒ガスだ。

「依頼としてはこの毒ガスの発生源も調べてこいって言われてっけど、なんもみえねーな。ザコモーノ、探知魔法でわかるか」

「申し訳ございません! この瘴気、魔法の発動も阻害するようで……」

そんな中、俺は言う。

「え? そうか。発生源ならすぐわかるが」

「は、はぁ!? ば、バカを言うな! 探知魔法が使えぬのだぞ!?」

「別に魔法なんて使わなくても、匂いでわかるだろ」

「に、匂いだとぉ!?」

獣ノ医師は超越した五感を持つ。

瘴気の匂いをたどっていけば……。

「ほらついた」

巨大な湖に到着。

水がすべて毒になっており、ボコボコと泡を立てながら、瘴気を発生させていた。

「ジークさんまじすげーっす! 尊敬するっす!」「ザコモーノよりすげーじゃん」

うぐぐ、と悔しそうにザコモーノが顔をしかめる。

「よし、場所は特定できたな。後はウチらがギルドに報告すればオッケーっと」

「え、せっかくだから浄化していこうぜ」

「ば、ば、バカなこと言うな!? 瘴気の浄化だと! そんなもの聖女様でないとできぬ御業だぞ!?」

俺は両手を湖に向けて、神の手を発動。

パァ……! と光り輝くと、毒の湖だった底が……元の美しい湖へと戻った。

「そ、そ、そんなバカなぁ! 浄化魔法だとぉ!? 聖女しか使えぬ魔法を、どうして!?」

神の手には状態異常を治す力もあったが、よもや聖女並だとはな。

「さっすがジーク! おまえほんっと頼りになるなっ!」

リズが笑顔で俺に抱きつく。

「なぁ、ジークぅ。やっぱりウチらと一緒に冒険者やらねーかぁ~?」

「すまんな」

「ちぇー、でもあきらめねーからよ!」

一方で、ザコモーノはギリギリと歯がみしながら、「……おのれ。覚えてろよ」と何事かをつぶやいていた。