作品タイトル不明
裕福な避難民3
「もう相手をしない方が良い人種って分かったわね」
自席に戻ってきたユリアンネがカミラたちに告げる。
「あれも避難民。角兎を必死に狩っているのも避難民。その避難民に追い出されたダクたちも避難して来た……」
「しかも、さっき店員に聞いたら、ハイオーク肉の入手は久しぶりだって。それって、私たちがこの前に狩って来た時期とかぶるわよね」
「じゃあ、上位ハイオークの肉も食べられるのか?」
「いえ、とても手が出る値段で流通していませんでした」
「そうなんだ」「じゃあ、またオークダンジョンに行くか」
「俺たちが狩って来たらもう少し肉が流通するのかも、ということか」
「でも、この前ってダンジョンコアを取ってしまったから、それほど魔物は復活していないんじゃない?」
「ははは。実力もない若造たちが、どんな見栄を張っているんだ」
「全く。上位ハイオークを簡単に狩れるなんて、銀級冒険者でもあるまいし」
再びこちらのテーブルの会話を耳にした先客が笑ってくる。
「ユリ……」
「そうね。仕方ないわね」
ユリアンネはカミラからの要望に賛同する形で、風魔法≪消音≫の応用で先客たちのテーブルとこちらのテーブルとの間で音が伝達できないようにする。
「本当は街中で魔法なんて発動したらダメと分かっているのだけど、ね」
「ま、今回の話なら王女様でも理解をしてくれるわよ」
「これでようやく静かに肉が食える」
ヨルクの発言の通り、店員が肉を運んで来て目の前で焼くのが開始される。
先客たちはシミリートたちが反応をしなくなったこと、それと声も漏れ聞こえて来なくなったこともあり、もう飽きたのか店に支払いをして出て行ったのが見える。