作品タイトル不明
裕福な避難民
「やっぱり王都ではあるから、こういうお店もあるのね」
自分たちの店舗のエリアよりも高級なエリアにあった焼肉らしい店舗を見て立ち止まる仲間たち。
「いったい何の肉を使っているのかな?」
「ま、少しくらい高くても私たちなら払えるでしょう?オリガ王女の依頼も達成できたご褒美で、今日くらいは贅沢しましょう」
カミラが盛り上げるための声かけをしてくれている感じがわかる。
「そうね。北方のダンジョン3つを踏破して帰って来た慰労会といきましょうか」
店に入ってみるとそれほど大きくはなく、4人までの席が数個。その中の1つにだけ客が居て店員が焼肉を提供しているようであった。
「8名様ですね。ご案内します」
「おや、無理して来た感じの客だな」
「そうですね。この街に来てから一度も見かけない集団ですし、たまの奮発なのでしょう」
こちらに聞こえてくるような声量で笑っている先客。
「何!?」
「シミ……気にしないのよ。世の中にはどこにでもああいうのはいるのだから」
この日は感情が不安定であった仲間たち。中でもシミリートは早々に反応するがユリアンネにたしなめられ、それぞれ隣り合う4人席に分かれて席に着く。
「で、ここは何の肉を使っているんだい?角兎かな?それともオーク?」
ヨルクが自分たちだけの食事を楽しもうと、店員に話しかける。
「ははは。やはり安い肉にしか思い至らないらしいな」
「そうですね、ハイオークの肉なんて食べたことどころか見たこともないのでしょう」
またしてもこちらに聞こえるように笑ってくる。