作品タイトル不明
アンダロフの増えた避難民3
冒険者ギルドで、避難民が貧相な装備で角兎の狩りに出ている話を聞いたシミリートたち。
「実際の様子を見てみましょうか」
少しは落ち着いて来たユリアンネの言葉の通り、まずは避難民が多そうな王都の西側の街道に出てみる。
「これは……」
少し街道を戦馬で走ってみると、近くの草原には防具などもない一般人が数人でグループを作って走りまわっている。そして角兎を見つけると我先に駆け寄り、その避難民同士でも獲物の奪い合いをしているのである。
「西側だけでなく東側も見てみるか」
オリガ王女と出会った王都アンダロフの東側の村付近でも似た様子であったが、少し人数は減ったと思える。
「本当に人が増えて食糧難なんだね。あの人たちにも帰りを待っている妻子もいるのかも」
「くそ!オルデンスク国もハンソク王国も何でこんなことを!」
「シミの気持ちも分かるけれど、私たちでできることを考えないと」
暗い気持ちになりながら、自分達の拠点である店舗や宿に帰る。
戦馬も馬小屋に連れて行き、荷物を整理した後は、街にある食堂に向かう。
「流石に王都に帰って来た日に、ジモに料理を頼むのは、ね」
「こうやって、普段は行っていない店の味を確認に行くのは勉強になるから嬉しいよ」
暗い雰囲気になっていることに気をつかったカミラとジーモントの配慮の会話に、皆も同調しながら食事処を探して街を歩く。
「やっぱり焼肉が良いよな」
「いや、今、そんな店は……」
「ほら、あそこ」
普段は歩かない、少し高級な方のエリアに足を運ぶと、確かに焼肉らしい店舗が営業していた。