作品タイトル不明
アンダロフの増えた避難民2
「ということは、何か。避難民が狩り場から子供を追い出したのか」
残ったミハイロフがザリーナの助けを借りながら話してくれた内容を、シミリートが聞き返す。
怒声という感じではないが、やはり子供たちには怖かったようで、慌てて頷いているミハイロフ。
「つまり、避難民の食糧が不足しているということかしら」
「だからといって、子供を」
「切羽詰まっているのでしょうね……」
そこで文句を言っていても仕方がないので、冒険者ギルドへ状況を聞きに向かうシミリートたち。
「ダクの怪我は治ったはずだけれど、ちょっと様子が心配だから、みてあげてね」
ザリーナたちに、先ほど走って去っていったダニークのことを頼むゾフィ。
「はい。イスクラディヤ国からの避難民が増えているのは確かです。人手も足らないので、成人男性たちは冒険者登録をされて 角兎(ホーンラビット) を狩りに行かれていますね」
冒険者ギルドでの回答である。その口調は非難しているというより、魔物の数を減らすためには助かるという雰囲気である。
「成人男性とはいっても、一般人ならまともな武器なんて持っていないですよね?」
「はい、刃こぼれしている先祖代々の剣という方もいらっしゃいましたが、鎌や 鍬(くわ) のような農具の人も。それらでも刃がありますが、半分くらいは棍棒として使う木材ですね。防具も厚めの服と、金属の鍋やその蓋みたいな感じで」
「……角兎ならば、それでも何とかなるのか」
「その人たちにしたら、ダニークたちですらちゃんと武器がある人に見えたのだろうね」
「……」