作品タイトル不明
アンダロフの孤児達3
「何があったの?」
ダニークの傷回復を行ったユリアンネは、ザリーナの方に振り返る。
「え?あ、私も詳しくは……」
「あ、俺たちは魔物を狩りに行って……」
ザリーナが言い淀んだので、ミハイロフが横から説明をしようとする。
「いや、俺が話すよ」
「ダク!」
「もう大丈夫なの?」
「あぁ……高いポーションなんだよな?それ」
「そんなことはどうでも良いのよ。どうしたのよ」
子供がポーションの値段のことを気にして怪我をした理由を後回しにしていることにイラついてしまう。
「そうは言っても、金貨なんて俺たちには……」
「ダク!」
繰り返すダニークに対して事情の説明を強く求めるユリアンネ。
「ちょっと失敗したんだよ。角兎を狩るだけでは稼ぎも期待できないし、避難民が増えて来て狩り場のいざこざも出てきて。で、ゴブリンでも狩ろうとしたらこのザマさ」
「子供は邪魔だって角兎の狩り場から追い出されたんだよ……」
「ロフ!」
ダニークはミハイロフが言い出したことに対して、余計なことを言うな、という感じである。
ドロテアがユリアンネの腕に手を置くと、自分を見てきたユリアンネに対して黙って首を左右に振る。
その仕草で、自分の言動が余計に会話を抑え込んでいる可能性に気づいたユリアンネ。
「ごめんね。焦ってしまっていたわ。とにかく怪我も治って良かったわ」
「いや、助けてくれてありがとうな」
他に怪我人や病人はいなかったが、どうもこの場所は医務室のような感じであったので、怪我人ではなくなったダニークたちを連れて部屋から出ていくことにする。