作品タイトル不明
虫ダンジョン野営後
「つまり、この周りには蠍の群れが?」
朝に皆が起きて朝食をとっているときに、改めてシルヴィスの視界で偵察した結果を仲間に共有するユリアンネ。
「獣ダンジョンの角兎のときと同じだろう?」
「その強さが違うわよ」
シミリートの能天気な発言にカミラが指摘する。
「でも、同じように細い入口を作ることで安全に倒していくのは同じよね?」
「ま、そうだよな」
ゾフィとヨルクは角兎のスープを飲みながら会話をしている。
同じと言いつつ、角兎よりも大きな蠍に対しては、壁の作り方を工夫すると身動きがほぼ取れない状態でこちらから一方的に攻撃することができる。
並行な2枚の壁で細い通路を作り、その突き当たりにも壁を作る。そしてその通路の突き当たり付近の三方の壁には、蠍が出て来られない程度の隙間を作るのである。
「これはすごいな」
シミリートのショートスピアやヨルクのハルバードだけでなく、ジーモント、ゾフィ、カミラのショートソードでも、サンダーの刀でも隙間から安全に攻撃が可能となる。
もちろん上手く蠍の関節を狙わないとダメージを与えることはできないが、こちらは敵の攻撃を回避する必要もないためいくらでも余裕を持って攻撃することができる。
「ユリとテアは魔力の節約をしておいて貰おうか。特にユリは壁などの魔法も使っているし、昨夜もいっぱい発動していたから」
「ありがとう。ちょっと休憩させて貰うわね」
そういってユリアンネは目をつむり魔力回復に専念する。
ドロテアは手持ち無沙汰な感じになったのか、倒した蠍を魔法の袋に収納して次の敵を呼び込む係になっている。