作品タイトル不明
オリガ王女の狙い
「で、俺たちへその情報を提供する代わりに、やって欲しいことというのは?」
各国の状況などを聞いた後、シミリートがオリガ王女に確認する。
「はい。今までと特別に変わるわけではありません。戦争によって放置していた魔物討伐、それによって 魔物氾濫(スタンピード) が起きそうなことへの対処です」
「……いつまで?」
「はい。放置していた間に増えた魔物がいなくなるまで、が希望です。戦争がおさまれば皆さんのお力を借りなくても、戦争前の魔物量への対応は自力でできるはずです」
「お話はわかりました。ですが、既にその状態にはだいぶ近づいていると思いますが」
「はい、そう理解しております。本当に皆様のおかげで、魔物氾濫はほぼ回避できたかと」
つまり、オリガ王女が情報を伝えに来たのは、この国を出ていく心づもりと準備をできるように、という今までのお礼でもあったようである。
追い出したいわけではないので、素直にそのようには言えないだけであろう。
「ありがとうございます……」
「いえ、こちらこそありがとうございました。本当に皆様のおかげで……」
「じゃあ、もう少し頑張るか。俺たちはちょうど出発するところだったし、北方の魔物を狩ってくるな」
少し涙が出そうな雰囲気になるのを避けるため、シミリートが気合いを入れるかのような発言をする。
「シミ……そうね。気をつけて行ってらっしゃい。私たちも、あの子たちへ商売のノウハウの引き継ぎを頑張らないと」
「魔物討伐も大事だが、たまにはダニークたちへの指導もしてやれよ。会いたがっていたぞ」
「そうだな。わかった。次に帰って来た時には顔を見にいくよ」