作品タイトル不明
ダンジョン成果2
「これからは魂を報酬なんて言わないようにしないと」
仲裁につかれたユリアンネがつぶやく。
「いや、でも、あいつらそれでやる気をだしてAランク魔物を参戦させずにすんだんだから、結果的には助かっただろう?」
言われていることは事実である。ただ、こんなときのシミリートの正論は、微妙に憎たらしい。
「はぁ……」
ここで倒した上位ハイオークの肉を、サンダーが器用に焼いてくれたものと、魔法の収納袋にしまっていた他の食材とを用いた食事をとり、休憩をしたあとは、帰路につく。
「ま、やっぱり少しは取りこぼしがあったか」
その帰路でも何体かのハイオークに遭遇するが、ここでも張り切ったシミリートが次々に倒すので、他のメンバに出番はない。
「やっと外か」
「でも、夜空だから、実感が少ないわね」
冒険者をしていれば、太陽からしばらく離れることはある。しかし、故郷のトリアンダンジョンでは、草原フロアなどでは太陽に似たものが上空にあった。
今回のような洞窟タイプの場合には、どうしても太陽が恋しくなる。
「ま、ここで野営して、朝になってから帰るとするか」
敵の強さに脅威は感じなくなっていても、ダンジョンの中での野営は気力を消費する。もちろん屋外でも気疲れはするが、自然な風を感じられる場所とはいろいろと違うのである。
「よし、今度は俺が肉を焼くぞ」
シミリートが焚き火でハイオークの肉を焼き、塩を振っただけのものを配ってくる。
しかし、ジーモントの料理が懐かしくなったことを口に出さないやさしさを持ち合わせる仲間たちであった。