作品タイトル不明
ダンジョン奥のキング2
「で、キングは?」
こちらも自分の顔をみることなく、対峙しているファイターの方を向いたまま聞いてくるシミリート。
上級ハイオークたちの奥の方を見てみると、姿を現した悪魔2体ギアマとラウキア、そして使い魔シルヴィスが相手をしている。
右手に持った、ユリアンネよりも大きいのではないかと思われる大剣を振り回しているが、味方の3体とも空を飛べるので難なく回避している。
「は、あたるかよ。それよりもこいつの魂は俺がもらうんだから、お前はあっちをやっていろよ」
「あなただけでは無理でしょう。私が倒して魂をもらうのを手伝わせてあげるから遠慮しなくていいわよ」
ユリアンネにしてみたら、誰が魂を持って行っても良いのだが、そんなことを言い合うだけ余裕があるのだろうか。
「あぶない!」
ハイオークキングが振り回している大剣に、いつのまにか炎がまとわりつき、そしての剣を強く振ったところで、その炎の一部が飛んで行っている。
「へ、それもあたるかよ。その剣が普通ではないことくらい、最初から分かっていたさ」
「本当かしら」
憎まれ口を言えるくらいに余裕があるならば、とユリアンネは手前にいるメイジやアーチャーの方に気をまわすことにする。
「ほら、ユリ。こいつらでも俺にかかれば」
まるでギアマのように、自分の力を誇示しようとするシミリートにため息をつきたくなる。しかし、確かにBランク魔物のハイオークファイターを次々と倒し、その奥にいるメイジやアーチャーに対して、槍を突き出しているのをみると、銀級冒険者を卒業するのも近いと思える。