作品タイトル不明
ハイオークダンジョン3
「ユリー、お願いだからポーションを頂戴ー」
ハイオークファイター3体をシミリート1人で倒した後も、複数のファイターたちにシミリートが立ち向かっていた。
そして今の状況である。
「まったく。武技だって魔力を使うのだから。無茶をして……」
日頃はそこまで使用しないので、シミリートが持っていた魔力回復ポーションの数は少ない。使い切ってしまったので、ユリアンネにねだっているのである。
そう言っているユリアンネも、シミリートの武技を活かした戦い様には驚いていた。最近は弱い敵の殲滅が多かったので、シミリートの成長を実感する機会がなかったのである。
素直に見とれる強さであった。
自分も魔法を練習するつもりで多めに持って来た魔力回復ポーションなので、それほど残量に心配はないが、王都に戻った時には追加でつくらないと、と思う。
「でも、おかげで前よりは進んだかな」
サンダーのつぶやきが聞こえる。
今回はユリアンネが地図をかいているので、その手元をのぞき込んでいる。
「そうね。テアの感覚のように、上位ハイオークになったところから、道が複雑になってきているわね」
「面倒だな」
「仕方ないわね。そう言っている間に、次が来たわよ」
なぜか小部屋のない通路だけのダンジョン。休憩するならば、行き止まりの通路などに場所を確保する必要があるので、緊張が続く。
「おい、今のって」
「そうね。いよいよファイターだけでなくメイジとアーチャーね」
ファイターだけであれば、近接武器のみなので、シミリートが突撃し、もし漏らしてもサンダーがいるので、後衛のユリアンネとドロテアに危険はなかった。