作品タイトル不明
ハイオークダンジョン
「これは確かに、2人だとしんどかっただろう?」
シミリートが少し疲れたという感じで、愚痴をこぼす。
洞窟タイプのダンジョンであり、前回にドロテアがかいた地図を使って奥に進もうとしたのだが。
「まさか、王都に戻っている間に、またこんなに復活しているとは、な」
「この辺りは魔物の間引きなんて長らくできていなかっただろうし、魔素も余ってしかたないのかもな」
「そんなの、 魔物氾濫(スタンピード) の一歩前じゃないか」
「だからこそ、俺たちが頑張るんだろう?」
「ちがいない!」
道を進みながら、何度も遭遇するハイオークの集団。魔素の消費という目的もあるが、食料確保の意味でも効率が良いと思えば良いのだが、疲労は溜まる。
「2人でこれだけ倒して、奥まで進んだのか?で、そこで上位ハイオークたちと?」
「それはポーションも使うわね」
シミリートとユリアンネは、前回のことを十分に想像できるほど実感する。
「訓練と思えば、手頃な相手だったさ」
流石は、風花の中つ国から修行として出て来たサンダーの発言である。確かにそう思えば良いのかもしれないが。
ドロテアの顔を見ても、彼女も良い訓練になったと思っているのか。事実、≪火炎≫や≪氷刃≫の技が向上している気もする。
日頃はユリアンネが居るので、練習不足だったのかもしれない。王都アンダロフ付近での狩りでも訓練をしていたのだろう。
「2人ともなかなかやるじゃないか。負けてられないな」
「張り合わなくても……」
自分たちも成長した様子を仲間に見せるため、シミリートはシミリートで練習していた槍の武技を、ユリアンネは最近に覚えた魔法の発動を披露するのであった。