作品タイトル不明
魔物間引き
「ユリ、やっぱりそれ良いな!」
シミリートが、魔物狩りのキリの良いところで言ってくる。
先般に入手して、習熟のために練習している≪泥沼≫のことである。
確かに、地面があるところでの使い勝手はなかなか良い。人間だけでなく魔物相手でも、狼などのようにはすばやくない人型のゴブリンやオークにはかなり効果がある。
「それに、あの≪爆炎≫≪爆雷≫≪霧氷≫とかいうやつも、だいぶ慣れてきたな」
「魔力はかなり使うし、範囲攻撃だから木々を燃やしたりしないようにするのにも気を使うわ」
「贅沢な悩みだな。これがあれば、あのモンヴァルト山脈のときの魔物たちにも、もっと楽ができたかもな」
「そうね。でも、あまり使う機会はない方がいいわね」
新しい魔法を練習しやすいように、シミリートがうまく魔物たちを誘導してくれていることにも気づいているユリアンネ。
その気遣いには言葉にも出して感謝しているが、恋愛対象か?という目でみるとまだ腰が引けてしまう。
前世の記憶がありそのときの年齢も踏まえると、かなり年下であると思っているところがどこかにあるのだろうか。
かといって、その前世年齢をたした年上のおじさんに恋愛感情を持つこともないので、恋愛に関する自分の成長が足りていない子供なのかと思ってしまう。
「どうした、ユリ?」
「え?あ、何でもないわ。大丈夫よ」
「ちょっと疲れたか?キリも良いし、ちょっと休むとしよう」
空気を読まないことや失言は多いが、基本的には性格が良く、それこそ急成長の冒険者であり衛兵という職もある、一般的には有望株である。
でも、改めて見てみるが、何か違うのかと思ってしまうユリアンネであった。