作品タイトル不明
バザーへのカトラリー
「ユリ!これを見て!」
魔物を倒し、カミラが気に入ったらしい木材を持ち帰ったシミリートとユリアンネ。
そこへカミラが何かを持って駆け寄ってくる。
「え?これって」
持ち手は今朝のスプーンとフォークと同じだが、刃の部分は別の素材である。しかし、金属ではない。
「そう、骨よ。全部を骨で作ると、中空のところもあるし難しかったの。でも、持ち手と別々で作るならば、骨でも十分な量が確保できるのよ」
「確かに、骨ならば頑丈で、木製だけのナイフより良いわよね」
「でしょう?でも、同じ骨でも部位によって色々と違うのよ。太ももの骨は硬くて良い感じだったわ」
「そこまで調べたの?ちゃんと寝た?」
「少しは寝たわよ。それよりも、ほら。やっぱりゴブリンみたいに小さくて軽いやつより、オークみたいに大きくて重たいやつの太ももの骨は頑丈みたい。これならば売り物になるでしょう?」
「そうね。でも、これ、持ち手とどうやって繋げているの?突き刺しただけだと抜けちゃう心配が」
「そう思うでしょう?そうなの。だから、よく見て。持ち手は2枚を貼り合わせているの。だから、その間に抜けない形状にした 中子(なかご) を……」
寝不足だからふらつくカミラ。
「ほら、無理をしないの!」
怪我でも病気でもないのだが、≪病治癒≫≪上回復≫それぞれの練習と割り切ってカミラに発動して、無理やりベッドに連れて行くユリアンネ。
「でも、これで避難民たちの興味もひけるでしょう?あの子たちが困らないでしょう?」
「大丈夫よ、カミラの頑張りはちゃんと成果につながるわよ」