作品タイトル不明
バザーへの出店
「さぁ、小さいながらに私たちのお店よ!」
確かにザリーナたちが張り切っている。
自分たちが迷宮都市トリアンの市場で、ゴザを広げて雑多なものを売り出したときのことを思い出してしまう。
「正直、このバザーというもの自体がまだこれからだからね。いつも開いていると、そのうちにお客さんも出品者も自然と集まるようになるけれど」
「ユリ、そんな心配しなくても。それは私たちも分かっているわよ。でも、知り合いだけでなく、避難民のキャンプ地などあちこちでも宣伝して来たんだから」
確かに、ザリーナはカミラたちの商品を、他の街区で宣伝して口コミを広める手段を実行していた。
今回も自信を持っているということは、仲間たちと一緒に頑張って宣伝をしてきたのであろう。
「ほら、ユリたちも手伝って。見ているだけでなく。お金を預かって商品を渡すくらいはできるでしょう?」
最初に売れ出したのは、ジーモントが教えた串焼きであった。
「避難民のキャンプ地では、食料自体が少ないからまともな料理もできないのかもな」
「あと、開店キャンペーン。覚えてもらうために激安にしたのも良かったんだろう」
様子見に来ていたジーモントが、子どもたちの頑張りを遠目に見ながら感想を言っていたが、彼らも手伝うように叱られる。
「これは、負けてられないな」
ヨルクも、自分が教えた子どもを焚き付ける。
「よーし。俺たちも」
「おーい、そこのお兄さん!その剣、刃こぼれしていないかい?今日は開店キャンペーン?だ!研ぎ直し、安くしておくよ」
「え?お前、本当にできるのか?これ以上ひどくなると許さないぞ!」
「ほら、ここにドワーフがいるだろう?このドワーフの愛弟子を舐めるなよ」
「お、そういうことか?なら試してみようか」