作品タイトル不明
バザーの準備
「へぇ、うまいことやっているんじゃない」
夕食で、仲間たちにダニークの冒険者パーティーのことをシミリートが共有する。
「あぁ、それにダクの思い詰めた感じが無くなっていた。なぁ、ユリ」
「え?あぁ。そうね。ダクはかなり元気になって、仲間の2人と上手くやっていたわよ」
「ユリ、どうしたの?さっきから口数が少ないけれど。具合が悪い?」
「え?大丈夫よ。ジモのご飯もいつも通り美味しいし」
「そう?」
ヤナに言われたことを、カミラたちには後で話すべきかを考えて、また黙ってしまうユリアンネ。
それを見て、カミラがシミリートに目線を向けるが、シミリートはわからないと肩をすくめるだけである。
「あ、今日の昼間にオリガ王女が来られたのよ」
「え?」
「前にユリがお願いしていたバザーの件、いよいよ開催されるって」
「あら、本当?」
その話題にはユリアンネが顔を明るくして反応するのを見て、カミラが少しホッとする。
「衛兵たちが巡回する前提で、王都の外にそのための場所を作るって。あくまでも昼間だけの設置で、そこで住んだり寝泊まりしたりできないようにルールを作るらしいわよ」
「流石はオリガ様ね。色々と考えてくださって」
「ゴザやテントも持っていない人も多いだろうから、衛兵が無料で毎朝貸し出すようにするんだって」
「そんなお金。あ、あの奴隷の」
「だから、ユリたちにも伝えておくって。でも、そんな管理型にすると、自由に出店できないし上手くいくか心配なんだけど」
「ま、あとから緩める方が、参加する人たちにしたら楽でしょう?グダグダで始めたあとにルールが厳しくなるより」
「そういうものかな……」