作品タイトル不明
キャンプ地での騒動
「よう、お嬢ちゃんたち、俺たちも困っているんだ。助けてくれないか?」
「ギャハハ!」
避難民のキャンプ地での治療を終えて、その場を去ろうとしたときのことである。
見るからにチンピラという風体の男たち5人が、キャンプ地の出口に立ちふさがる。
「ばか!やめろ!」
目を治療した、何度も教会に病人を連れて行っていた男性が、その男たちの前に出る。
「お、なんだ。目が治ったのか?じゃあ、狩りにも行けるな。俺たちの邪魔をするより、狩りに行った方が皆の役に立つぞ」
「お前たちが敵う相手ではないぞ!」
「は!こんな見るからに若造たち。親の金で馬や装備を与えられて、良い気になっているんだろうが」
「そうさ、こんなところにまで治療しにやってくるなんて、金持ちの暇つぶしだろう?」
「どうする?」
一番前に出ていたシミリートが、ため息をつきながら振り返って、一応は聞いてくる。
「こんなところで怪我をさせると、結局は自分たちが治療してあげることになるのは嫌よね」
「まったく。本当どこにでも湧いてくる、あの黒いヤツみたいだよな」
「あおってどうするのよ」
「聞こえたぞ!」
「俺たちのことを、まるであの虫みたいな扱いしやがって」
いずれも顔を真っ赤にし、腰に下げたショートソード、ブロードソード、一部はダガーを抜いて駆け寄ってくる。
こちらは戦馬に騎乗した後なので、ほっておいても上手く回避するだろうし、そのまま逃げ切ってキャンプ場を去ることもできるはずである。
「でも、反省させておいた方が良いよな?」
シミリートがニヤッと笑い、やってしまうようにユリアンネに合図をしてくる。