作品タイトル不明
薬への難癖3
「実際に傷が治っていないから文句が出るのだろうが!」
商人がチンピラのように声を荒げて話を続けてくる。
「私どもの商品以外の瓶を提示されてのご発言。理解できませんな。それに私どもの商品ならば、この程度の傷は中級ポーションでも完治できますよ」
「うるさい!良いから賠償として、金貨を何枚もおいて帰れ!」
「不思議なことをおっしゃいますね。では、まず1つ証明をしましょう」
シミリートが懐から取り出したのはユリアンネが作成した中級ポーション。それを怪我をしているチンピラの腕に振りかけることで、その傷は確かに綺麗に完治する。
「これがうちの中級ポーションです」
少し口調が崩れてきてしまっているシミリート。
「そして、この瓶の形状がうちの商品です。そちらの瓶とは明らかに違いますよね?」
「えーい、うるさい!」
「こちらの中級ポーションの代金はサービスということにしておきましょう。ですが、今後、うちの店で買ってもいないものに対する難癖はやめにしていただきましょう!」
だんだんと口調を強く、最後は語気を込めたシミリート。
色々と修羅場を潜った経験か、チンピラどもはそのシミリートの勢いに負けている。
「えーい、良いから金を置いていけ!」
「はぁ。用は済んだみたいだから帰るとするか」
ここまで発言をしないで、ときどき目をつむりながら大人しくしていたユリアンネも、シミリートに促された通り席を立つ。
自分たちを取り囲むようにチンピラが寄ってくる。それに、この応接室に入ってきた扉の前には複数人が陣取っている。
「金はあるようだ。奪い取ってやれ!」
「はぁ、本当に強盗だな。これがこの国へ教えてやると言っていた商売のやり方か?」
「うるさい!」