軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

トリアンへの手紙

「そうか。そんな距離の場所にもゴブリンのダンジョンか」

夜になり、今日の出来事を仲間たちに共有する。

シミリートとユリアンネがダニークのことを説明したときの皆の反応である。

「ま、ダニークが思い詰めて変な方向に行っていなくて、仲間を作る気になってくれたのなら良かったわ」

「カミラ、それはそうなんだが、魔物が増えているのは心配だろう?」

「そうね。サンダーたちは?」

サンダーとドロテアは、冒険者ギルドに頼まれた小さなダンジョンの踏破をしていたのだが、そちらも人手不足、冒険者不足だったことで放置されていたので、あまり状況が良くない。

「本当に魔物が多い。この国はオルデンスク国からの攻撃をしのいだとしても、魔物にやられてしまう心配があるな」

「そうか。まだしばらくはこの国を離れられそうにないか」

「乗りかかった船だし、せめてザリーナたちを一人前にしてから、が良いわね」

「じゃあ、トリアンにまた手紙を出しておかないとダメね」

以前、風花の中つ国を出るときには、帰国がこれほど遅くなるつもりはなく、手紙を託した冒険者たちと同じくらいに自分たちも帰ると思っていた。

しかし、イスクラディヤ国にオルデンスク国とハンソク王国が攻め込んで来たので、孤児たちを連れてドラゴレシエ国に避難して来たときには、帰国が遅くなると覚悟して手紙を出したのである。

「こんな状況だし、もしかすると前の手紙が届いていないことも踏まえて、念のためにもう一度出しておいた方が良いわね」

しかし、トリアンに家族がいないサンダーとドロテアは出す相手がいない。

「サンダーは中つ国に送らなくていいの?ますます帰国が遅くなるわよ」

「いや、今のこの情勢を書いた手紙をハンソク王国を通って送るのは危険だよ。それに、国を出てくるときに、すぐに帰るつもりはないことを告げて来ているから大丈夫さ」

「ま、トリアン宛で皆と一緒に送るのと違って、割り勘できないから依頼料も高くなるわね」

「それもそうだな」