作品タイトル不明
ダニークによるダンジョン踏破3
「こんな地図も描くのかよ」
ゴブリンとの戦闘はダニークにさせているが、≪灯り≫による支援や回復魔法、戦闘中の後方防御もしている。
さらに、いつものようにユリアンネがダンジョンと思われる洞窟の地図を書いていたのである。
「そうだぞ。この洞窟程度ならば大した大きさでもなく、複雑では無いと思うが、こういうところで練習しておいた方が、後々で困らないだろう」
「偉そうに言っているけれど、ユリにばかりさせているんだろう?シミが描けると思えないぞ」
横でユリアンネが笑ってしまったので、その答えもダニークに分かってしまったようである。
「まぁ、さっきのパーティーの仲間内での役割分担の話だ。うちは料理が得意なジモ、地図が得意なユリなど色々いるぞ」
「で、シミはなんだよ?」
「俺か。俺はリーダー。迷わずに決断するときに決断する!」
「なんか勢いだけの気もするが、な」
「なんだと!」
「ほら、またゴブリンがいる。行ってくるぞ」
ダニークにはぐらかされたシミリートがムスっとしているが、じゃれあっているだけと思って見守っているユリアンネ。
「お、今度のゴブリンの数は多いな。5体か」
「手伝おうか?」
「いや、ここまで来たら頑張るさ。石で呼び寄せるから後ろに下がれよ」
宣言通りダニークが石を投擲して呼び寄せたゴブリンたちを、後方に下がって狭い通路で迎え撃つ。
ダニークはそうすることで、最大3体しか相手にしないように工夫しているのである。
「流石にキツかったわ」
戦闘後、ユリアンネに回復魔法をかけてもらっているダニーク。
「ほら、ダンジョンコアをとってこい。残念ながら宝箱は無かったようだが、な」
小さいながらにコアとわかる石を手に取ったダニーク。しばらくそれを見つめている。