作品タイトル不明
ダニークにバレた尾行3
「で、いつもこうやってゴブリンを相手にしていたのか?」
ユリアンネの話が一区切りついたようなので、シミリートが話を続ける。
「最初は素振りをしていたさ。ゴブリンにやられたときのことを思い出して。街道近くだと角兎を狙う避難民たちが多かったから、この林に来て。誰にも邪魔されずに、でも足元も悪い、木々が邪魔というところで良い練習になったとは思う」
「あぁ、なかなか良い練習方法かもしれないな。孤児の他の奴らにも、単なる素振りだけでなくこういうところでの素振りや走り込みをさせると良さそうだな」
「で、素振りをやりながら、たまに遭遇するゴブリンを倒していたら、あの洞窟を見つけたんだ」
「ゴブリン1体だけが見張りに立っているあれね」
「本当にすごいんだな。遠くが偵察できる使い魔って」
「それで、ゴブリンを倒す練習をしていたのね。で、たまに複数になっても、作った罠に誘導して倒していた、と」
「ダク!すごいじゃないか」
シミリートに抱きつかれ、頭をグリグリと撫でられて嫌がっているダニーク。
しかし、体格差のある大人にそのような扱いを受けたことがあまりないのか、嫌がっているなかに喜んでいる感じもあると思ってしまうのは、ユリアンネの勘ぐりすぎなのか。
「で、それだけやっても、あの洞窟から出てくるゴブリンに終わりはないんだな」
「他のダンジョンのことを踏まえると、次々に発生しているのかもね」
「それは……俺にとっては良い訓練になるけれど」
「そうだな。今、俺たちはこの国のダンジョンを踏破して行っているところだ。ついでにここでも一度ダンジョンコアを取っておこうか」