作品タイトル不明
ダニークにバレた尾行2
「まぁ、ユリがシルヴィスを突撃させなかったのだから、大丈夫だったんだろう?」
3人も居るので、この辺りの敵が襲って来ても問題ない。そのため、倒したゴブリンから魔石などを取り出しながら話を始めたシミリート。
「え?あ!」
シミリートに助けに行くように指示はしたが、シルヴィスを遠隔で突撃させることに思いが至っていなかったユリアンネ。シミリートの指摘で気がついてしまう。
ダニークの危機と思って、動揺していたのだと反省する。
「ま、なんだ。つまりシミとユリに心配をかけてしまったということか」
「いや、まぁそういうだけでも……」
「いいえ、そうよ。孤児院の仲間にもどこに行くのか言わずに。何かあったら危ないじゃない!」
前回にゴブリンにやられたのを治療したユリアンネなので、その心配は理不尽ではないはずである。
大人の避難民たちに恨みを持って何かするのではなく、真面目にゴブリンに対抗できるように訓練していることにホッとしたのも事実ではあったが、本人に言える話ではない。
「ユリに言われると……金貨分のポーションの借りがあるからな」
「まだそんなことを!」
言いかけたところで、本当に借金と思っているのではなく照れ隠しであることに気づいたが、そのまま話を合わせておく。
「で、あれから1人で特訓していたのか?ロフたち皆と一緒にやれば良いのに」
「まぁ、それでも良いんだが、特にザナには街中での仕事を頑張って欲しかったし……」
「あら、そういうこと?」
「違うって、あいつには外で戦うより向いた仕事があるだろうってことだよ。俺にはこっちの方があってそうだし」
色恋関係かとからかってみるが、どうも真面目な話であったようである。
「いや、蔦を使った罠とか、意外と頭も良いと思うわよ。街中でのスリでの素早さのこともあるから、この森でも上手く走りながら逃げていたわね。あれ?そう考えているとやっぱり冒険者の方にダクは向いているのかな?」