作品タイトル不明
ダニークの1人訓練2
「無事に倒した感じね。魔石を取り出したり、討伐証明の耳を切り落としたりしているわ」
ヒヤヒヤしながら見ていたユリアンネだが、少しホッと落ち着いて座り直している。
「良かった、ちゃんと移動を始めているわ」
「戦闘でくたびれたといってそこに座り込んでしまうと、他の魔物が寄ってくるからな」
「あ、でもそれを分かっていて活用するつもりかしら」
「どういうことだ?」
「周りに罠をつくり始めたの。とは言っても、その辺にある蔦を使って引っ掛ける程度のものだけど」
「あいつ、そんなことができたのか?」
鳥を捕まえる罠は、イスクラディヤ国で暮らしているときから、他人の設置したものを活用していたと分かっている。そのときのものを見よう見まねしようとしたのかもしれないが、明らかにものが違う。
「ま、網にするのは大変だと思うけれど、草むらに紛れて足を引っ掛ける程度のことならば役にたつ感じかな」
「いや、それだけでも戦闘の最初にそれに引っ掛けられたら、かなり優位だよな」
残念ながらダニークの意図通りには他の魔物が寄って来なかったようで、しばらくすると彼は林の奥の方に歩き出す。
「洞窟みたいなのが見えるわ。その手前にいるのはゴブリンね。1体だけだわ」
「その中はゴブリンのダンジョンということか?それだとダク1人には荷が重いだろう」
「あ、落ちている石を投げつけたわ。それで引き寄せて」
「慣れた感じか。じゃあ、いつもやっていることなんだろうな」
「確かに。うまいこと1体だけと1対1になって、ちゃんと戦っているわ」