作品タイトル不明
ダニークへの尾行2
「じゃあ、頼んだわよ」
カミラの声を貰い、まだ暗いうちから孤児院に向かうシミリートとユリアンネ。
ダニークが早朝から出かけているのを確認するには、自分たちも早めに出発する必要がある。
カミラ、ゾフィ、ヨルク、ジーモントは店舗運営を。サンダーとドロテアは、冒険者ギルドが困っている感じの小さなダンジョンの依頼対応というように、仲間たちで手分けすることになったのである。
「ま、ゴブリンの出る場所に、1人で戦いに行っているのだろうな」
「そうだとすると、ゴブリンが複数になったときに危ないわよ」
「でも、毎日大怪我もせずに帰ってくるならば、無茶はしていないのだろう?あいつはなんだかんだと賢いから」
「それはそうだけど」
王都アンダロフで孤児院に向かうまでの会話である。
ダニークは徒歩のはずなので、自分たちも徒歩で向かうか迷ったのだが、結局は戦馬に騎乗している。
彼に気づかれないように離れたところから尾行するので、危険な状態になったときにすぐに駆けつけるには戦馬の方が絶対に速いこと。さらに、ユリアンネが使い魔シルヴィスの視界で尾行するのであれば、騎乗して移動を戦馬に任せる方が自分で歩くよりも安全であることからの選択である。
「あ、出てきたわよ」
「あれは」
孤児院から1人で歩いて出てきたダニークの装備は、 片手剣(ショートソード) を左腰に、背中に盾を背負っているまさに冒険者の格好であった。
その背中の盾は、先日に自分たちが倒したジャイアントアントの素材を利用した軽量のものである。
ジャイアントスコーピオンの素材は、北方のドロガンの街に納品したが、これは子供たちの安全のために配ったのである。