軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

52.次の都市へのお話

ノートをぽんと俺に放って渡す。

『お、俺のとこにきた』

『私ももらったのじゃ』

『みんなのところに分裂するでござるね』

「あいつがイェーメールの神官になると言い出したのも、もともとその預言書絡みだ。小耳には挟んでるだろ? 500年前神殿から誰かが持ち出したと言われている。世界中がそれを探しているとも。ミトも預言書に憑かれた1人だ。神殿に入って、調べるんだと息巻いてたよ。そのノートはいつだったかあいつから送られてきたものだ。もう少ししたらここに寄ってそれを持ってウロブルに行くって話だったよ。ウロブルに行く度に話し込んでた学者がいるんだ」

おお、これは!! 次への予感!

「若い頃からあちこち一緒に動いてたが、いいやつだった。ウロブルに行く用事があればそいつをその学者に渡してやってくれ。確か名前は、ソール、だったかな」

そして地図を取り出し第5都市ウロブルの位置情報を教えてくれる。

《第5都市ウロブルの位置情報が公開されました》

またもや全体アナウンス。

『おお! 次の都市!!』

『ウロブルかぁ~楽しみだなぁ』

『でも、さすがにまだ開かないだろうし。タウンクエストこなしましょ』

沸き立つパーティーチャット。

もうすぐローレンガも全体にオープンする。今日はあと少しで起きる時間だ。リアルタイムで今日の夜中、明日の0時にオープン。0時前になればこの街の外にはうじゃうじゃとプレイヤーが集まることだろう。

『今日はもう、踏めそうなタウンクエストを踏んで終わりかな。一週間ぐらいは混み合いそうだ』

『だが、その中で美少年をクリアしそうなやつらがいるかチェックしておかないとな。頃合いを見てアクセサリを売る』

『うん。がっぽがっぽもうけてセツナっちに還元だッ!』

『まあ、無理のない程度で』

みんなはクエストを探しに街に散っていった。俺はカクさんに眠り薬を渡す。

「もう1つ分だけ作ってもらえますか?」

「……いいだろう。ついてきな」

そうやって今日も奥へ通された。

そして質量保存の法則無視のネタクナイノダをもらって、お金を払う。1回分1万2千シェルなんだよ……ニホン酒の瓶入り5本で。絶対特別価格だ。

「ミトさんは、なんで預言書のことを調べ始めたんでしょうね? 今じゃもともと無かったとまで言われてると聞きました」

「アレは……俺のせいなんだよ」

「カクさんの?」

「錬金術師が表だって活動できないのはおかしいってな。俺の父も爺さんも代々薬師を名乗り、錬金術の技術を受け継いできた。その成果が表に出せないのは悔しいってな」

「友だち思いの方だったんですね」

「無駄だからやめろって言ったんだけどなぁ……いいやつから死んじまう」

仲良しのお友だち同士とか、泣かせるね。

「まあ、お前らも十分気をつけろよ。預言書に関わると寿命を縮めるからな」

なんとも匂わせ発言を残してくれた。

俺も今日まではここを散策して、またアランブレに戻り読書の日々しながら、タウンクエスト探したいなと思ってます。

しかし、クエスト踏むぞ! と思いながらうろつくのはなかなか、難しいなこれ。いっつも突然振ってくるからな、タウンクエスト。

結局特に見つけられずに、砂金採りを柚子と小1時間ほどしてログアウトだ。

間違えた。アランブレに戻ってからログアウトすべきだった。

人でごった返している!

ちょっとこれは、すごすぎる。

あちこちで歓声が上がっていた。

ソーダ:

変な粘着もいるから気をつけろよ。

柚子:

らじゃったのじゃ~

あと少しだけ砂金したらアランブレ帰るのじゃ。

せっちゃんおはー!

八海山:

セツナ君おはよう。

今日のローレンガはちょっとあらっぽそうだから、早々にアランブレに避難する方がいいよ。

柚子:

せっちゃん面割れしてなさそうだから多分大丈夫だけど、予防は大事なのじゃ。

ソーダ:

メインクエスト、さすがに昨日の今日で情報落とすのは運営に怒られそうだから、3日後って言ってあるんだが、納得しないやつらが凸してくるんだ。

一緒にいるところ見られてるかもしれないし、早々にアランブレに帰って。

八海山がポータルとってあるから、少ししたらまた連れてこられるよ。

八海山:

第2第3第4とポータル登録してる。

いつでも移動便承るよ。

凸されても何もないんだが、このゲームPKありなのだ。街中でやったら、街から締め出されるけど。

ただ、その牢屋でもなにやらイベントがあるらしく、わざとPKして過酷な道へ踏み出したやつの動画がランキングに入っていたと聞いた。

ヒョイッと小道に入りこみ、クランハウスへ移動する。

最近ミュスを始末してないし、クランハウスのタンスにいらないものを詰め込んで、EP回復用料理だけ持って突撃〜!!

おかげさまでLv20。素早さもかなり上がった。つまり、ミュスにとって俺は畏怖の対象でしかないっっ!!

草原の中を【隠密】で出来うる限り気配を消して、始末のために駆け巡る。

あー楽しい。

……狩るスピードが上がると、重量制限もすぐ来てしまう。

予定より早い時間に切り上げて、冒険者ギルドへと向かった。

「お久しぶりですね、セツナさん! 今日もたくさんのミュスをありがとうございます!」

青髪のお姉さんだ。

「お久しぶりです。少し友人とあちこち行っていて、ミュスの数はどうですか?」

リアル1週間って、こちらでは3週間だ。

その前から狩ってない気がするから、下手したら1ヶ月近く放置してた。

「そうですね……少し増えてきた気もしますが、セツナさんがまた帰ってきてくださったので大丈夫でしょう」

なんだかついついそのままの流れで愚痴る。だってこの人たち本当にリアルなんだもん。

「レベルが上がって、素早さがだいぶ上がったら、ミュス狩りの速度は上がったんですが、反対に重量制限がすぐ来るんですよ……」

「ああ!! アイテムポーチを求められてもいいかもしれませんね〜」

アイテムポーチ、あれか、ハザックの石がするりと入っていったやつ。

「高いものは高いですけど、それこそ今と同じくらいの量が入るくらいの物なら、10万シェルで買えますよ。よろしければ良い鞄屋さんを紹介しましょうか?」

「ぜひお願いします!」