軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

46.ゴールドラッシュ

結局同じお酒と、もう1本おすすめを教えてもらったので、合計2本を購入。ニホン酒って言ってたなぁ。やはりここは江戸イメージのようだ。まあ、着物着てるしな。

「またぜひお越しください」

「しばらくはこの街を見て回りたいので、またおじゃまします」

「今日はこれからどちらへ……」

「あー、砂金が採れると言う話を聞いて、一度試しにやってみるかと、友人たちと話していまして」

俺の言葉にタカヒロは破顔する。

「みんな一度はやってみたくなるものですね……そうだ、少しお待ちを」

奥へ引っ込むがすぐにやってくる。

手には溝のついた皿と、スコップのようなものがあった。

「もしよろしかったら差し上げます。私が小さな頃に使っていたものです。ここいらの子どもは誰もが砂金採りをして遊ぶものなんですよ」

「え……思い出の品じゃないんですか?」

「いくつも持っていますからね。この子にも1つやってますし、まだあります」

タカヒロがタカトシの頭をグリグリとかき回す。

それならばと、いただくことにした。

2人に別れを告げて、渡し船に乗って正面の門へ。一度街の外へ出てから、砂金の取れる川へ向かう。

と、目立つ頭のやつらが川にくるぶしまで浸かって必死に砂金を探していた。柚子は背が低いせいか、ずぶぬれだ。

川の流れはとても穏やかで、これが本来の姿なのだろう。聞いていた通りに一定間隔でネットが張ってある。

「セツナっち! そこのお店で道具売ってくれるよ〜」

川べりで、かなりご年配の老婆がにこやかにこちらを見ていた。小さな椅子に座っていて、その脇に籠がいくつか置いてあった。

「皿とスコップはもらったんだ」

「お前……ホントNPCの好感度高いなぁ」

「うーん、買い物するときもいちいち会話するから?」

まあ、ズボンの裾をまくり、袖をまくって俺も参戦する。

「リアルならコツとかあるんだろうけど、ここは皿に川底の砂利をすくって、傾けて動かしてるとあるなら光る」

言われた通りやってみると、何度か繰り返してやっと当たる。とても小さい砂粒ほどの砂金だ。

見つけたものは即持ち物へ。楽ちん。

「結構拾えるわねぇ〜とはいえ、使い道がまだ分からないから、こんなに時間をかけるのかと言えば、ちょっと疑問かなぁ」

「アクセサリーに使う金や銀はNPC売りだと聞いたことがあるから、そこら辺を調べてみてからだな」

「たぶん純度も違うのじゃ! 粒の金は色ガラス用じゃな、もう」

「彫金師は少しでもってここに通うことになるかもダネッ!」

金がないなら自力調達しかないのだ。

っていうか、彫金師、金がかかりそう。

「生産はね〜お金がかかるよッ!」

「かかるのじゃ!」

そして、器用さ依存の職業の多いこと。

器用さの極振り職が増える……というとそうでもないらしい。

「確かに器用さは必要じゃが、ガラス細工の場合素早さも必要になってくるのじゃ……私はそこは振ってないから、アクセサリーで底上げをしている」

「料理はね、腕っぷしも必要になるんだよね〜なぜかッ。そして、魔物退治で稼いだ金を食材、特に香辛料類に注ぎ込むッ!」

生産楽しそうだった。

『そうだセツナ!』

突然のパーティーチャット、と思ったら、気づけばみんなあちこちに散開していた。

『例の眠り石なんたが』

【ビギナーズラック】がごりっと発動した眠り石4つ。自分じゃ何もわからないのてソーダに預けておいた。

『案山子の鑑定で、やっぱりアクセサリー用の石らしい。知り合いのアクセサリー専門のやつに頼んで、作ってもらうのがいいかなって。出来上がるまでになるべく俺の眠り耐性熟練度あげて、アクセサリーつけたらほぼ眠らないってところまで持っていきたい。そうなったあとに、またあのエリアボスに挑んで、いくつか石を手に入れる。サーバー全体にローレンガが解放される前に、売りつけようかなと。ギルメン分手に入れた余剰分をセツナの金にしてもらうってのはどうだ?』

『え、べつにみんなのものでいいんじゃないの?』

『いやいや、さすがにそれは悪い。たぶんこれからエリアボス討伐者が出るまではかなり高値で売れると言うか、エリアボス倒すのにこのアクセサリーを求められるやつ』

『一財産よ』

まあ、そこら辺はどうでもいいが、みんなに1つずつ渡ればいいなと。

『もちろん、アクセサリーにする金はこっち持ちだし』

正直適正価格なんかはわからないので、お任せするが、そこまで気にしてもらわなくて良いのだが。

耐性などは、10段階で、10で完全無効化となる。

そしてアクセサリーはほとんどが3段階で、低品質、標準的な品質、高品質だ。それぞれ、耐性+1、+2、+3となる。それぞれ段階をプラスするのだ。

『ソーダには、なんとしても7段階、せめて6段階になってもらわないと困るのじゃ!』

柚子たち、水瓶のかぶり物をかぶってなかった面子は、みんな5段階まできているらしい。

6段階になれば、低品質でも7段階に底上げ、それでも3回に1度眠ってしまう。

『3回に1度多くない?』

『うーん、実際はもう少しかかりにくくなるかなぁ。まあとにかく俺の耐性上げないとだから、これから狩り場に缶詰だよ。セツナも来るか? 割と時間との勝負』

『いや、俺が行くと経験値分配じゃなくなるだろ? 遠慮するよ。それより、叩くしか、目を覚ます方法ってないの?』

『街の店をいろいろ見て回ったけど、不思議とそういったアイテムが見つからないんだよなぁ』

『ほんと、ありそうなものよねー、普通は』

『眠り薬を鑑定したけど、そのまんま寝てしまう薬だったねッ! それで耐性つけろっていうのかなッ?』

なかなかに激しい耐性の付け方である。

『爪は調薬の素材か、装備の材料っぽいわよね。今はないけど素手職とかのやつ』

『武闘家じゃな!』

『僧兵とかッ?』

『とりあえず置いておく感じで』

その後はみんなそれぞれそこそこの大きさの砂金を手に入れた。

八海山は金塊とでも言うべき、手のひらサイズのものを採取して、柚子にねだられていた。

【ビギナーズラック】がかなり発動したらしい。

『せっちゃんがパーティーに入ってからの当たり率が、半端なかったのじゃ……せっちゃん、また来ようね?』

【ビギナーズラック】があるうちにまた来ることを約束させられた。