軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

425.聖属性の触媒集め

クランハウスに調薬台を設置した。後々移動もできるということで、とりあえず青空調薬だ。ビーチに面した場所にある。

準備しておいたポーションの材料と、柚子にもらったポーション瓶。準備万端でせっせと作る。

これは、袖の下だ。いや、普通にお礼でいいのか。

聖属性の触媒を作るのに必要なシラユリと交換してもらう。好感度を上げるために、ヴァージルを経由しようと、先ほどお手紙を飛ばしたところだ。ハトメール。距離なんて関係ないんだな。半透明なら打ち落とされることもなさそうだ。

そうして結構な数のポーションができあがった頃に、ヴァージルからお返事が来た。いつでもおいで、だそう。

それならばとクランハウスの共有ストレージを漁って餌付け用案山子ご飯を吟味する。

ヴァージルは生魚もいけるようになったが、やはり牛丼カツ丼に目がないようだ。なので基本はそこメイン。あとはサーモンが好きだから柑橘の香りとバターがたまらないムニエルも入れる。

第七都市のお土産に、ソウトゥースオークの実のパウンドケーキでも買って行こうかな。

クランハウスを出て船を漕ぐ。途中プレイヤーに会ったが、軽く頭を下げられたので下げ返しておいた。

ご近所さん的な感覚。

アランブレのクランハウスは点在しているらしく、こうやってプレイヤーが集まって暮らしているのは初めてだ。

行きつけになってしまった、例のチェック柄が店内に敷き詰められている洋菓子屋さんで袖の下のソウトゥースオークの実を渡してキャラメル和えとともに購入。木の実いっぱいのパウンドケーキ、上にアイシングされてるやつ、好きなんだよね~。柚子はブランデーと砂糖を混ぜてしみこませろと案山子に要求していた。

小道に入ってアランブレへ移動。門を出てぎょろちゃんで爆走した。

「こんにちは、ヴァージルいますか?」

おい、ヴァージル! 野球しようぜ!! ていつか言いたい。

門番さんはこのままお仕事継続なのでカツサンドを進呈しておく。みんな案山子のご飯で幸せになるといいよ!

中に入ると、出会う聖騎士たちが質問する前にあっちだよと教えてくれた。

「セツナ、早いな」

来訪者の移動速度は異常だからな。

「今日中に触媒作りまで依頼したいから」

「ああ。なら先に行くか。治療院にも話を通してあるよ」

「お礼のポーション持ってきたんだ」

それは喜ぶだろうねと、敷地内を移動して裏口からお邪魔する。

一応白、黄、橙と三種類用意してきました。治療院のみなさんもとっても喜んでくれて、シラユリを採取するのは問題ないと言ってくれた。

枯れかけとかでいいんだけどね。でもこれもまた、採ったらなぜか数日後に花が復活するタイプだからいいのかな?

全部は採らないように、でもちょっと多めにいただきました。よし、これをローレンガのカクさんのところに持って行こう!

「触媒作りはどこで?」

「あー、 細剣(レイピア) はローレンガの知り合いのところなんだ」

「ローレンガか……暇だしついていこうかな。ああ、もちろん店に行くときは別行動で」

錬金術はとても難しい話がつきまとうからってことなんだろうが、え、来るの!?

「え、マジで?」

「迷惑ならやめておくが」

「いや、迷惑とかはないけど、結構遠いからさ」

「準備してくるから少しだけ待っていてくれ」

ええー! 珍しいな。

ただ、それならば持ってきた丼パーティー分を置いていくか。たぶんだけど、みんな期待してる。絶対。

てことで、食堂に丼丼丼! と並べた。アランにあとはよろしくしておく。

「セツナ君! ヴァージルいくらでも貸し出しするからゆっくり遊んで来てね」

「いや、まあ。お土産はヴァージルに期待してください」

「あいつがそんな余計なもん買うわけないじゃん」

なんて一幕を繰り広げて、飛行船に乗りました。

飛行船は客室があって、そっちで休むこともできる。俺だけ甲板で起きていたらヴァージルは眠るのだろう。が、今日は二人とも何も言わずに客室です。

そう、話がある!! 忘れよう忘れようとしていたけど、飛行船を目の前にしたらあの日の情景が戻ってきたのだ。

客室はベッドが二つあって、間に小さなテーブルがある。

初手、俺はひよってご飯を出しました。

「ありがとう。案山子のご飯は本当にいつ食べても美味しいね」

ご満悦なヴァージル。俺も海鮮丼食べた。当たり障りのない話。最近の騎士団のこととか、団員たちの好きな丼ものの割合だとか。なんだろうこの探り探りな会話は。俺から話を持っていかねばならぬのか。

「ヴァージル、このあいだのことなんだけど……」

「ああ! 彼女が前から言っていた女性だよね。綺麗な人だね」

うおおおおあああ……ヴァージルが綺麗な人って言うとなんか無駄にくるものがある。

「セツナが惚れるのも無理はないな。仕事は順調に終わったのか?」

「仕事は、終わったけど……それだけ!? それだけなの!?」

きょとん顔のヴァージルが憎い。

「それだけ? 何か他にあったか?」

そこまで言ってからハッとした顔をする。

「仕事じゃなかったのか? まさか二人で旅行だったとか」

「仕事はあったし、うう、旅行のつもりだったけどまあ、仕事旅行認識でしょうね、アンジェリーナさんは!!」

「まだまだ完全に距離は縮まらないってことかな」

ニコニコ顔してるけどなんだろう。男の嫉妬って醜いですね。

「ヴァージルのとこに連絡とか、ない?」

「連絡? 誰から?」

「……アンジェリーナさん」

「……なぜ?」

「なぜじゃないだろーっ!! 友だちの彼女からアプローチされる顔だろうが、お前!! アンジェリーナさんはまだ彼女じゃないし」

俺が耐えきれなくなり、ベッドに突っ伏す。うおーん!!

ヴァージルがああ、とかえっととか何か言葉をたいそう選んでいる。

「えーと、セツナ、俺は友人の想い人をとるようなことはしない!」

「彼女のハートが勝手に飛んでくるタイプだもんな」

ちょっとだけ顔を上げてじとめで見るとなんか慌てて手を振っている。

「何も連絡は来ていないし、ほら、最初に約束しただろう。あれからなるべくアランブレには行かないようにしているよ、公務じゃない限り」

「ほんとかなぁ……ヴァージルに惚れない女なんていないじゃん!!」

「そんなわけは……全部が全部じゃない!」

言いよどんでる。心当たりがありすぎるんだあああ!

その後、客室で俺がずーーーーっとぐだぐだ言ってた。

重い彼女みたいになってて大変よろしくないです。ヴァージルは一生懸命そんなことにはならないと言っていた。後半はちょっと面白くなってわざといじってたが、とりあえず今のところアンジェリーナさんからのアプローチはないということなので、それを、信じたいと思う。

「ところで、彼女もまた貸本屋をやっているんだよな?」

「そうだよー」

「そうか……貸本屋、イェーメールはオルロさんだったな」

「うん、気のいいお爺ちゃんだよ」

「セツナはオルロさんとも知り合いなのか」

フレンドではありますね!!

そうか、と何度もつぶやいていた。いじめすぎた?