軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

395.賢者への道のり

それからしばらくはちょっと忙しかった。情報ギルド関係から、俺が関わっているのはバレていたし、ソーダが動画の中で『退魔の書弐』を作るところを見せなかったこと、その後NPCのオルロとユーファへの導線を敷いたことで、芋づる式に俺の修復師もバレた。

図書館職員に聞けばユーファへと自然な流れになる。

すでに情報ギルド関係でオルロへのつなぎを作っていたらオルロに頼むこともできる。それじゃあ八海山もその部分を動画にしたらよかったのではないか、と。

できない理由は、俺だろうと掲示板で推察というよりも完全に断定されていたそうだ。

その後いくつか動画が上がったが、みんなクロスワードパズルにやられていた。しかもいくつかパターンがあるらしい。

これを、退魔師本人にやらせるのだ。

『オルロのじいちゃんがめちゃめちゃ悪い顔をしていたのじゃー』

『わからないなら調べてこい、今日はここまでで預かっておくって言われていたでござるね』

退魔の書は一時預かり可能だそうだ。

『せっちゃんは結局何人分やったのじゃ?』

『ええと、深淵の人が五人と、ロジックのアーリーさん、蒼炎の紬さんだから七人かな』

【翻訳】のおかげでクロスワード一瞬なのが大変助かるけど、漏らさないようお願いした。漏れたらここの中の七人からだ。

作業をするのも第七都市のクランハウスにして、本人のみ来てもらった。

『オルロっち、絶対【翻訳】できるよねッ! 意地悪じいちゃんだッ』

『運営の方針なんだろうな。第五都市のユーファも同じようにパズルを解かせるらしいぞ』

まあ、ここまで真面目にゲームやってきたか? 的確認なのかな。これもある意味ゲーム要素だ。

第七都市で金策とレベル上げをある程度して、一応目標であるクラン資金も、クランハウスを買う前まで戻すことができた。そこで、次の目標としては例の賢者とやらを探そうと言うことになっている。

『賢者の話はあちこちで話題になっていて、森を進んでいる者も多いんだが、なかなか見つからないらしい』

『というより、このマントヒヒが強すぎるから前に進めないって感じね』

俺たちもようやく三体を相手にできるようになって行軍スピードが上がったところ。

そこで、また利き耳をしにきたのだ。

そう、鳥カフェである。

鳥カフェの便利さは他のプレイヤーも見つけているらしく、最近はいつも満席だ。

『別チャンネル鳥カフェができているらしいわよね~。運営さんも大変』

しかし、前回の鳥カフェ利用のときは、『マリアベルの蒸し葉』で鳥カフェで聞いてみるといいという誘導があった。なのでわりとすんなりダンジョンの話を得ることができた。

だが、今回は鳥を利用する気満々で来ている。

他のプレイヤーも同じく自分が知りたいことを、掲示板で知った鳥カフェの利用方法で情報を得に来ているのだ。

そうなるとなかなか上手くいかない。

だが、賢者の話を聞いたのも同じときに、マリアベルの蒸し葉でなので、聞き方次第では情報が得られるはずと通っているのだ。うん、わりと早く効果が切れて出ていけって遠回しに言われるんだよ。そして賢者という単語を出したら鳥たちが黙ってしまって何も言わなくなった。賢者って単語は出したらダメなやつ。今日は再チャレンジだ。

『最近人が多い、ぴぴ』

『労働環境の改善を要求するっ! ぴぃ』

『ヂヂッ、ヂヂッ』

なんか一匹ネズミが混じってるんだよなぁ……。

「強いヤツと戦いたいのよ」

「それはパワー的にでござるか? それとも?」

「とにかく、強いヤツとよ!」

『脳筋脳筋、ぴぃぴぃ』

『筋肉バカっぴ』

『ヂヂッ、頭だけじゃ敵わない』

むっとするピロリ。その肩をぽんぽんと叩く柚子。

「俺っちも強い人と戦いたいなッ! 自分の力を試したいッ!」

「案山子は魔法でか。魔法も剣もとなると魔法剣士か?」

「剣士……俺っち防御力弱いからッ、ダメかもしれないッ」

『ぴぴっ! こっちはよわよわ』

『ぺしゃんとやられちゃう』

『戦いたいとか、バカばっかりヂヂッ』

これは、戦いたいじゃダメなようだ。

みんなも同じことを思ったらしくチラチラと視線が交わされる。

あと五分くらいでタイムアウト。

「そんな強い人がいるなら、俺は話してみたいけどな」

「話す?」

八海山の言葉に鳥がふっと黙った。

「ああ。話して色々世界のことを聞いてみたい」

『ぴぴ』

『ぴぃ』

『ヂヂッ……学びたいなら、南東の赤い実を食べないと』

おお、これは当たりっぽいぞ。

それ以降鳥たちは話をしなくなった。

ただ鳴き声が聞こえる。もう効果が切れたようだ。

『南東の赤い実……南東にも行ったよな?』

ソーダが何やら調べている。多分マップ。俺もステータスウィンドウを開いてマッピングされている地図を見た。

確かに、行けるところまでは行っている。

『スイッチが入らないと行けないパターンかしらね』

『よくあるヤツなのじゃ!』

『戦いにいったら負けそうだねッ! 教えを乞う感じでッ』

『賢者でござるからね。学ぶ姿勢でいってみるでござるよ』

これくらいの情報なら他のプレイヤーも得ていそうなものだが、八海山曰く、トップクランは金策に走り、中層のクランはレベルが足りなくてあまり森をうろうろできないそうだ。 また、何ヶ月もローレンガで停滞していて生産に振りまくってるプレイヤーが増えたそうで、先を行けるクランが少ないという。

『よし、それじゃあ頑張って賢者捜しに行くとしよう。レベル上げにもなるしな』

『頑張るわよぉ~! やっとお洋服また買えるようになったんだから!!』

『お前……金は貯めておけよ。考えてみろ、第一にクランハウス、第五に学園学院の移動ポータル代わり、第七に第二のクランハウス。第十とか、十一あたりにまた移動用の何かができるかもしれないだろう?』

八海山の言うことはごもっともだった。まあ、聖地から飛行船さえつながればどこへでも行けることは行けるが、ワンタッチ移動は大変便利だ。学院の方は俺はたまたまラッキーで得た準備室だが、大半が金を払って学園に入学している。

また金で解決移動が便利な場所ができるかもしれない。

ピロリがむぐぐと口を曲げていた。