軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

333.派閥選択

オルロの微妙な誘導に困惑を覚えつつ、クランハウスへ帰還後、クランチャットへ。

セツナ:

伝令、イェーメールが微妙に穏健派に片足突っ込んだので自動的に俺も穏健派です。

いや、アンジェリーナさんが穏健派なのかなっ!!

それでもって、ロウォール子爵が対等に公爵家と戦える理由って解明されてる?

八海山:

昔ゲートから出てきた害を与える来訪者を押し返したからだと聞いている。

ピロリ:

かなりの状況だったらしくて、王家は今でも頭が上がらないとかなんとか。

柚子:

過去の威光でそこまで戦える意味がわからないのじゃが、そういうことらしいのじゃ。

まだセークティオは出てきてないのか。

ソーダ:

何かヒントあったのか?

セツナ:

たぶんー?

なんかこう、上手く収めるような流れにはならなそう?

半蔵門線:

残念でござるが、お嬢様方がやる気満々でござる。

うーん、さてはて。

ゲーム的には、子爵側のウィークポイントがここで、公爵側にもなんかしらあるはずなんだよね。それか、あー、このクランチャットも腹の探り合いのやつか!!

公爵側というよりも、子爵側がセークティオ探すやつ。

うむ……つまり時間との勝負。

でもまだ八海山たちわりと学園に捕らわれているようだからまだセークティオまで出てきていないのかなあ。

お嬢様よいしょしてたら、本人に、『どうして子爵レベルが公爵に対抗できるのですか?』なんて聞かないよな。

セツナ:

ご静聴ありがとうございます!

半蔵門線:

セツナ殿……なんか結論出てしまったやつでござるね!!

案山子:

これは急がなくちゃいけないヤツッ!

八海山:

ミニクエストをもっとこなさないとか。

ロウォール子爵側がざわめき立つ。

俺はソーダにフレンドチャットだ。

『ソーダ、子爵が公爵に対抗できるのが、セークティオっていう伝説の剣のせいなんだって。これが、モンスターはもちろんだけど、縁とか、好意、悪意なんかも斬る剣らしくて、そうなるとロウォール子爵が公爵家への忠心、恩、縁なんかを斬らないのがおかしいだろ? たぶんだけど、ロウォール子爵は剣無くしてる。王家も恐れる剣なんだって。だから王家も不義理を働いているロウォール子爵に何も言えないでいるんじゃないかなって』

『そんな話まっったく入ってきてなかった!! どっから拾うはずだったんだろうな。穏健派とはいえ、俺たち下っ端だからクリスティーンとは話す機会なんてないんだよ』

派閥にもヒエラルキーがあるようだ。確か、気付いたら派閥振り分けされていてなし崩しだったって言ってたし。

『たぶんだけど、これ、剣を手に入れた側が勝ちそう。ただ、その昔の戦の時に消えたってあったからゲートを閉じるときにそちら側に行ってしまったまである』

『了解。派閥掲示板で漏らすのすらちょっと怖いからな。俺たち下っ端だしそこまで緊急招集かからないから学園離れられるだけミニクエストこなしたら外出て探してみる。悪いけどさ、とっかかりの、その戦いのあった場所について調べてくれるか?』

『ラジャー。ちなみにゲート開いたのはウロブルね』

『ゴリゴリじゃねーかよ!』

ものすごくストレートにどっかに落ちてそうだよね。

ウロブルのことは、ウロブルの人に聞くのが一番だ。てことでひょいっと生活魔法研究室へ。

「よ~」

いつものご挨拶。

「こんにちは!」

毎度毎度この体勢である。

このソファ、いいやつなんだよね。ふんわりだけど身体が沈みすぎない。無駄に金かけていそう。

「あ、先生、セークティオって知ってます?」

「んあ? 伝説の剣だろ?」

「そうです! ウロブルに大昔開いたゲートを押し戻すとき活躍したって聞きました」

「アルバート・ロウォールが振るった剣だな」

「今どこに埋まってると思います?」

俺の質問に、ブラウン先生は身体を起こしてじとっと見つめてくる。

「怖いこと言うなよお前。セークティオはロウォール子爵家が家宝としていて、今も屋敷にあるんだぞ」

まあ、そうよなあ。そう触れ回っていることだろう。

「ウロブルのゲートってどこに開いたんですか?」

話を変えてみる。

ブラウン先生はまたもやじっとりと俺を睨んできた。

動じないぞ。

面の皮フィールド全開!!

「ウロブルのゲートは跡地が北西の方にある。未だに草木も生えない土地になっちまって、モンスターもうろつくことがない、不毛の土地だよ」

俺がウィンドウから地図を広げると、ポイントが打たれている。ウロブルから出て、うーん、3マップくらいかな?

一人じゃ心許ないな。ただ、このエリアに入れば、ブラウン先生が言うことが本当ならモンスターには遭わないのか。

ソーダが来る前に下見しておくのも悪くない。

一応ソーダに経緯を連絡し、マップの位置を送っておく。

北西となると、ローレンガ方面だ。反対側にでるよりは多少はましだが、飛んでいても何か投げてくるやつや、魔法を使ってくるモンスターが地上をうろついている。

でもうちのぎょろちゃんはすごいのでうまくするりとすり抜けるのだ。最近は目的地の方向を示すと、危なそうな場所は自然と避けて大回りまでする。俺が【気配察知】で危険そうな場所を教えると上手に避けるのだ。

言葉がわかっていそうで可愛い。

そして問題のエリアに入るところで、質問されました。

《クエスト特設エリアです。侵入する場合は派閥を選んでください》

→ロウォール子爵派閥

モティスファ公爵派閥

うん……下に空欄あってそこを選べないかポチポチしてみたけど選べませんでした。ぎょろちゃんが空中で停止してるよ。

まあ、モティスファ公爵派閥に行きます……あ、これ令嬢ってついてない。おー、他にも大人ルートで派閥入ってる人いるのかな?

派閥を選ぶとエリアに侵入することができた。

ブラウン先生から聞いていたとおり、まったく何もない、風すら吹いていない荒涼とした大地だ。

そのままぎょろちゃんで進んでいくが、さらに大地に大穴が開いていた。

「わあ……これは、すごいねぎょろちゃん。中に行ける?」

どうも進まないので聞いてみるが、嫌がっているようだ。ならば仕方ない。

近くに降りてもらって大穴を覗く。

下は見えるが、俺を縦に10人積んでも底につかない気がする。騎獣が嫌がるなら降りるのに準備が必要か? いや、【木登り】があったな。いざとなればクランハウスや研究準備室に飛べばいいんだし。

「ぎょろちゃんは石に帰ろうか」

赤水晶をあげて背中を撫でて、戻っていくぎょろちゃんに手を振ってお別れだ。

さ、始めようかな。