軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

320.新しい騒動

すまんと謝られる。

別にいいのに、大変だなそっちは、と返した。

そう、聖地から無事帰還し、日常がやってくるなと思っていたのだが、俺以外のクランメンバーが抗争に巻き込まれました。

セツナ:

つまり、クリスティーン組と、アマリア組の戦い!

ソーダ:

ヤクザにするなよ、派閥だって。

ピロリ:

どっちつかずにしてたら多分学園内の友人の比重でクランメンバー分かれちゃったのよ~

柚子:

どうせならみんなで一緒にやりたかったのじゃ……でもこうなったら手は抜けぬのじゃっ!

ソーダ:

てことで、クランチャットしばらく凍結されるかもw すまんw やるなら全力で戦いたいしな。

セツナ:

ゲームだから自由に遊べばいいよ。別にそれで仲が悪くなるようなものでもなし。

みんないい年した大人だからね。

案山子:

関係ないことは言うかもしれないけどねっ!

八海山:

ポータルが必要になったら遠慮せず呼んでくれ。

なんでも、聖地から帰って身辺整理。そのあとウロブルの学園食堂で立食パーティーがあると聞いてホイホイ行ったらしい。

そうしたら王太子殿下婚約者の断罪劇が始まったという。

ざまぁです!!

半蔵門線:

なるべく触れないようにしていたのが仇となったでござるなぁ。いきなり目の前に、貴方はアマリア・ロウォール派になりましたって言われたでござる。

セツナ:

ざまぁした方ですね!

案山子:

いかにもな感じでしてたよッ!

子爵令嬢だけど、なんでも数代前に大きなゲートが開いて、家門の人が大活躍したんだとかッ。王家はないがしろにできない相手らしいッ。

ピロリ:

クリスティーン様は、モティスファ公爵家ね。家柄では断然上だけど王子様の好みの顔は断然アマリア様だったみたいよぉ!!

クランチャットで話せないかもとかいっておいてバリバリしゃべってくださりますな。

聞いてる分には楽しい。

八海山:

ざまぁだけじゃないのが問題だ。実はケルムケルサへの戦争の件も含まれていたんだよ。今回わりとひどい戦争にならずに収めたら、推進派が王太子を籠絡してた。

何が起こったのかわからないぜってやつだな。

推進派=アマリアってことか。

ソーダ:

クリスティーンが穏健派だな。そんなわけでしばらくアランブレに帰れないかもしれない。大規模情報戦みたいになってきた。学園のそこら中にクエスト転がってるみたいでさ~

ピロリ:

同じ空間に敵対派閥が自分たちの2倍以上いたらバトルとか意味わからないしね!

移動も思い通りに行かないらしい。

いやはや、そんなことになったらアンジェリーナさんに気軽に会いに行けないし、よかった、学院派で。本当によかった!!

ちなみに、ナイフは無事もらっていただけました!

お土産ナイフ。こっそりおそろいナイフ!

自分きめぇなあああて思ったけど許してくれ。そのナイフを使ってるところを見ることができるかわからないんだぜ……スカーフもどっかいっちゃったし。

見せてって言ったら見せてくれそうだけどね。日常使いして欲しいんだよなあ。とはいえ、アンジェリーナさんは指輪もピアスもしていないのだ。日常的に使いそうなアクセサリー類は皆無、洋服プレゼントは気持ち悪いだろさすがに!!

なんとか仲良くなって、もっともっと贈り物を聞き出したい所存。

あと、スパイシーな甘味ね。

一応調べたんだが、スパイスによって甘さの中に刺激があるタイプ。飲み物ならすぐわかるんだよ。チャイとかそこら辺。あとはスパイスを効かせた焼き菓子系かな。一応案山子に依頼している。

聖地から帰ったらと言っていたが、これは延期だ。仕方ない。

とはいえ、そんな楽しいことになっているウロブルに俺も興味がありますので、参りましょう、生活魔法研究室準備室っ!!

「こんにちはー」

「おーう。久しぶりだな」

ソファにだらっとブラウン先生は健在だ。

「毒耐性アクセサリー、注文できました。ありがとうございました」

「そりゃよかったな。お貴族様必須のアイテムだろう。価格はつり上げ放題だって、ニヤニヤしてたぜ、エルフさんがよ」

ファマルソアンさんですね。

「たまたま知り合いだったのもあって負けていただいた……と思います」

「負けてもらったって思える値段ならそう思っておいた方がいいな」

はははと笑う。

そして本題だ。

「学園の方が大騒ぎになってるって、友人が言っていたんですけど――」

「あー、絶対あっちに近づくなよ。巻き込まれたらめんどうだからな」

「やっぱり大変な事態なんですね~」

「学園がアランブレから離れてるのも問題だな。子どもらが話を大きくして自分事に巻き込みやがったと思ってたら、王太子が婚約破棄を言い渡したらしいな。今度はアランブレでも大騒ぎさ。巻き込まれたくないなら他の都市にいることをオススメするぜ。学院内も安全とは言いがたくなってきた。ほら、パトロンがなぁ。お子様の惚れた腫れた程度のやりとりに口は出さないが、婚約破棄は家門の話だ」

「というか、王子様が勝手に婚約破棄だとか言えるんですか? 王家との契約でしょう?」

「普通は無理だ。王子がしこたま怒られて、子爵令嬢が病気を理由に田舎に引っ込んでおしまいさ。だが、このロウォール子爵がくせ者でな。金は持ってる、武勇を誇る上に今の当主がなかなか老獪。ロウォール子爵を支持する公爵連中もいる。王族の契約は王族の言葉によって覆されたとか、宣言してしまった」

「やる気満々ですね」

「そう、やる気満々なんだよ。戦争なんてない方がいいのにな。そういった軍事関連の研究をしているところに金をつぎ込んでいるのもそのロウォール子爵周辺だ。戦争推進派はケルムケルサの案件で振り上げた剣の行き場を無くしてしまったから、方向を変えてふるってきたのさ」

こりゃ学院も危ないな。

「ちなみにブラウン先生は?」

「見りゃわかるだろ、関わりたくない。強いて言えば穏健派だが、お願いだからこっちに来るな派だよ」

ですよねー。軍事関連とか一見、関係なさそう。

あくまで一見ね。

生活魔法は戦闘に置いてもとても便利だ。

「あ、そうだ、先生! 俺、生活魔法使ってトーナメント1回勝ちましたよ!」

「え、お前武闘会出たの?」

「本来はトーナメント出場権を賭けた乱闘で、サポートする役目だったんですけどね。俺の【氷付与】の技、結構すごいのがあって。たくさんのモンスターに対するのに便利なヤツが」

「出場者をモンスター認識してるお前さんに震える」

「いや、それは言葉のあやというかなんというか、とにかく大勢のスキルを無効にする技があるんですよ~」

「ほお……強くなったなあ」

「生活魔法は、相手の武器を落とさせるのに有効なんで、これからも使って行きます」

「生活を快適にする魔法なんだがなぁ」

ちょっと複雑そうなブラウン先生でした。