軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

304.出場選手決定

というわけで、第7都市に緊急招集である。

「お邪魔しま~す」

「きゃーすてきなお店!!」

「キラキラがすごいのじゃ……」

「やはりだいぶ儲けてるんだな」

「値札が暴力的でござる」

「まぶしいッ!」

趣味良いお店だった。騒がしい俺たちはそのまま奥へ通される。

カランさんがお茶を持ってきてくれた。やっぱり一緒に移動してるんだなぁ。と、ついじろじろ見ていたらしい。

「カランちゃんは凄腕ですからね。移動時にはついてきてもらいます」

凄腕なのは知っている。ボディーガード的な役割も担っているようだ。とはいえ、絶対ファマルソアンさん自体も強いと思う。

「さて、武闘会です。これは、奉納式の前に少し場を暖めようというものと、この聖地の周囲に強い冒険者を募り、モンスターの数を削減していこうという試みから始まったものです。出場権さえ手に入れれば平民もトップに立てるということで、3年に1度のお祭り騒ぎとなります。各領地30名、360人が集います。かなり多いですね。なので最初これを5グループに分け、上位4名がトーナメントに出場することになります。しかも時間制限がございまして、それまでに4名になっていない場合、雷が降り注ぎます。強制的に4人までしぼりますよ」

「え、人死に出ません?」

「そこはもちろん手心が加えられておりますし、救護班は待機していますよ。なにせ聖地です。聖騎士様たちがたくさんおりますし、神官も山ほどおります」

俺の素直な疑問にファマルソアンはニコニコしながら答えてくれた。怖いけど、まあゲーム的に大丈夫ってことかな。

「武闘会が開かれる闘技場自体も、神官たちが加護を与えてくださっているので、ダメージとして体に残り、動けなくはなりますが、死ぬような大けがを負うことはございません」

あー、ゲーム的にね。うんうん。じゃあ思い切りやっていいってことか。

「私は第7都市でかなりの地位にありましてね。出場権を2枠持っております。他に出場する者も把握しておりますし、トップを狙うというならばもう1枠引っ張ってくることもできますよ? ちなみに、トーナメントに出場できた時点でかなりよい副賞をいただけますね。宝珠です」

「おおー!」

「ペルセウス座の宝珠です。力が湧き出てくると言われております。あとはもちろん賞金、さらに第7都市で特別に、第7都市居住地を格安でお譲りします!」

『居住地、だと……』

『クランハウスみたいなのもう1つできるでござるか?』

『それは本気で取りに行きたいな』

ここに来る前に組み直したパーティーチャットがざわつく。

「その居住地は、クランのみんなで拠点にすることができたり?」

「ええ、場合によっては。貢献度にもよるでしょうけれど」

「第7都市は第1の真反対の位置だし、あると便利よね、絶対」

ピロリの目がキラキラしている。

一瞬で移動できる場所は便利でしかない。ポータルの記録が3カ所までというのもある。

「ただなあ、うちでソロでいけるやつって基本半蔵門線かピロリなんですが、半蔵門線も打たれ弱いって欠点がある。拘束されたとき強攻撃されるとそれでアウトです」

「対応するスキルはそれなりに持ち合わせているでござるが、対人のスキル構成は組んでいないでござるからね……」

「ピロリぃ……」

「何よ! 仕方ないじゃない!」

頬を膨らませてプリプリしてる。

まあ、仕方ないよね。

「無理をすれば3枠手に入れられますが」

「うーん、それでもトーナメントからはソロでしょう? 俺が混ざってタンク役として、トーナメントは即負けするつもりでも、半蔵門線、いけるか?」

「拙者のスキルは結構バレてるでござるねえ」

魔術師組は属性対応されたら即負けが決まるそうだ。フロストダイスからの大技としても、来訪者相手に即死レベルに持っていけるかどうか。

「第7都市代表で出る人の中に、ソロでもかなり強い人とかいないんですか?」

「おりますよ。基本はソロが強いものが出ますね」

「その人をトーナメントへ確実に行けるようにする、そんな戦法ならとれますけど。5チームってことは同じ回に第7都市から6人出るわけでしょう?」

つまり、俺たちは捨て駒になるからその第7都市でソロ最強の人を確実にトーナメントへ押しやるという作戦だ。

「ペルセウス座の宝珠はいらないと?」

「欲しいのは欲しいですけど、なかなか難しいと思います」

「ふむ……確かにトーナメントに上がれば、順当に予想通りの人物が勝ち上がりますが、トーナメント前の72人から勝ち残るのは毎回予想が立ちません」

「同じチームにソロの強い人を入れてくださいよ。俺がその人たちをトーナメントへ連れていきます。制限時間前に全員倒して、最後に俺たちが負けを宣言すれば4人は確実に出場ですよ」

ソーダがにやりと笑った。

ソーダと八海山が行くのかと思いきや、ソーダと攻撃職の方がいいという。

「回復はポーションがぶ飲みでいけるからな」

アイテムの持ち込みは問題ないらしい。

「事前に4人と話して、それぞれの能力も把握しておきたいのですが」

「ふふ、ソーダさんのやる気、受け止めました。お任せください。完璧に手配します」

「となると、おらっ! 半蔵門線、セツナ! お前らの新しいスキル把握させろやっ!」

ばちーんって背中叩かれた。やめて、紙装甲になにするの!

「えええ、拙者あんまり知られずにこっそりぶちかましたいタイプでござるのにぃ」

半蔵門線は忍びだからね。

遁術増やしてそうだなぁ。

「氷と水のスキル覚えたよ。でも、モンスターには対応できるけど、対人はどうなんだろ?」

「ファマルソアンさん、この辺りである程度強いモンスターがいる場所に、その4人と狩りに行ってもいいですか?」

ソーダの質問に、ファマルソアンとピロリがにっこり笑った。