軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

286.聖地到着

次の町で俺たちは時間を潰し、騎士団のみんなと入れ替わりで 就寝(ログアウト) 。

案山子が最後のご飯だと振る舞っていた。

名残惜しそうな聖騎士たちが面白い。

そして再びログイン。起きたら柚子以外はみんな動き出している。もちろんヴァージルもいた。……なんか窓辺で本読んでるんだが。雑誌の表紙なのか? といった様子。

「おはようセツナ。ピロリと柚子以外は動き出してるよ」

いつのまにかヴァージル、うちのクランメンバー全員呼び捨てになってるんだよね。好感度上がってるんだ。

1番好感度が高そうなのは案山子。そう、胃袋を掴みし者よ……。

「ピロリが起きたら出発しようという話になってる。ここからはわりとすぐだよ。部下に宿屋は押さえさせた。一応予算は聞いていたし、来訪者割引も効くよ」

「それは助かるありがとう」

町の中をぶらついてみるが、ここら辺どこも同じような感じなのだ。1周するのに1時間も掛からない。宿屋に戻るとピロリがいて、再びおんぶで出発となった。

さあ、聖地入りだ。

《聖地でのポータル地点取得はできません。期間中、聖地内でキャラクターが死亡した場合は聖地の冒険者ギルドに送られます。しかし、聖地の冒険者ギルドは登録地点とすることはできません》

聖地の門まできたところで運営からのお知らせを受け取った。先日ぶっ飛ばした公式からのお知らせを、俺も読んだ。

どうやらこの奉納試合の期間は、初めての聖地奉納試合ということでイベントのような扱いになっているらしい。飛行船の乗船料も半額となっている。

というのも、PvPあるらしいです!

なんでも奉納試合は聖騎士が行うが、その後星座神へ、力を奉納という謎のイベントが行われるのだ。冒険者でそのとき聖地にいるなら誰でも参加できる。権利の取得方法は謎。

それを探すまでがお楽しみ。

「イェーメールのヴァージル騎士団長様ですね、遠路はるばるご苦労様であります!」

門番が敬礼してた。

聖地はぐるりと白い塀に囲まれている。高さは5メートルくらいか?

門には双子が暑苦しく彫られていた。

「彼らは私が招待した来訪者だ。すでに事前申請しているはずだ」

「はい! 承っております。皆様申し訳ございませんが、一応冒険者IDを見せていただけますでしょうか」

こちらが申し訳ないくらいへりくだっているので慌てて【持ち物】から引っ張り出す。

「柚子……どうしよう」

「置いてく~? 起きたらID見てもらえば?」

「そうしよッ!」

「いやいや、さすがにそれは……彼女のことは俺が保証するよ」

「ええ、さすがにそれは。一応事前に提出していただいている書類と人相風体は同じのようですし、ヴァージル騎士団長が保証してくださっておりますのでお通しします」

俺たちのあまりに非道な言葉にあちらが大慌てしてました。

そうして無事聖地に乗り込んだ。そのまま宿へご案内だ。

建物真っ白かと思いきや、そこはアランブレとさほど変わらない西洋風の街だった。ただ、違うのがまたさらに奥に白い壁があることだ。

「あちらが聖地の中央だ。ほら、塔が立っているだろう? 門からまっすぐ行ったところにあるのが双子座神を祭っている塔だ」

オベリスクみたいな形の、それはそれは大きなものだ。東京タワーよりは小さいけど、そこら辺の市町村にありそうな○○タワーくらいはありそう。

「それぞれの塔にこの時期神が帰って来る。1度祈りに行くのもいいと思うよ」

神無月みたいなあれかな。聖地だけ神在月みたいな。

「さあ、宿はあそこだよ。予算内でベッドが清潔で料理もそれなり」

「ありがとう、ヴァージル」

受付に行くと、ソーダの名前で7名予約が入っていた。

「来訪者さんだって聞いてるよ。できれば滞在予定期間分を前払いして欲しいけど、無理にとはいわない。逃げられても請求先も確保しているしね」

宿屋の女将はにこりと笑った。

イェーメールの聖騎士様のところに行くんだな。

さすがに迷惑はかけられないと、ソーダが一括で支払いしていた。何日間、どんなことがあるかわからないので15日分。

「払い戻しもするから安心してくださいな。もちろん来訪者割引もあるよ」

なんと良心的な店だろう。

2、3、2でまた別れて、とりあえず柚子を放りこんでおいた。

『さて、どうする?』

『それぞれの星座の塔には行ってみたいわ』

『俺はッ! 門の近くの食材漁りしたいッ! でも先に塔でも全然問題なしッ」

『12全部参るのはどれくらい時間がかかるんだろうなぁ……』

『せっかくなのでまだ見ぬ星座神の塔がいいでござる』

それならばと、アランブレを通り越して先日話題に上がった亀裂の向こうの第12都市の塔から行くことにした。

塔の前には列がある。ただかなりスイスイ進むのでそんなに並んでいるストレスはなかった。

塔は真っ白で、入り口に扉がついているが、今は開かれており、扉の模様は見えない。大人しく並んで待っていると、塔内へ入る順番がやってきた。中はとても広く、そして空洞だった。まっすぐ頂上から光が漏れている。太陽が真上に来たら陽光が中央の台座に降り注ぐのだろう。

『牡羊座でござるね』

『もふもふだね』

『金羊毛ッ』

『フリースの元なのかな?』

そう、例の金羊毛を落とすモンスターに酷似したひつじちゃんの大きな像が、中央に鎮座していた。

その前にひざまずき、熱心に祈っているNPCがいる。

俺たちも順番がきたら同じように祈る。

『何か楽しいことが起きますように♪』

『魔銃が欲しい!』

『退魔の書弐のヒントが見つかりますように』

『お料理の材料がたくさん集められますようにッ!』

『えーと、宝珠ください』

『セツナおまwww』

『せっかく懐中時計作ったからさぁ~』

《そなたが贄を差し出すのなら、宝珠を与えよう》

『んんん……贄?』

『何?』

『宝珠が欲しければ贄を寄越せって言われた』

『はっ!?』

『……マジだ』

『私も言われたわ』

『贄とは?』

『とりあえず迷惑だから出るでござるよ~』

贄ってなんだろう?