軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

271.ハーピー狩り

ハーピーのお姉様は大変怖かったです。

恐ろしい……美人なんだよあれ。ただなんかこう、狂気に満ちている。目がイっちゃってる。

ハーピーの注意点は鋭い足の爪、これのダメージがかなりきつい。さらには両手代わりの羽根を羽ばたかせることにより巻き起こる風魔法。突風が吹き荒れるのだ。これをやられると、体勢を保つことが厳しくなる。

さらにそこへ風だけじゃなくて鋭い羽根が降り注ぐ。切り傷を負うし、羽根ペンの先になるところが刺さる。とてもダメージがでかい。

この刺さったりするとき、本来はもっとひどく痛むのだろうが、ゲーム内では当たったという触感が得られる。耐久がなく、大ダメージだとそこで動くことができなくなる。ダメージによる行動不可時間が課せられるのだ。

羽根を防ぐのに、傘を使うかという話もあがったが、強風であおられて傘が飛ばされることが予想され却下された。

『1度に3体くるとかなり危険なんだよ。だから【気配察知】が肝だ』

『とりまセツナ殿にお任せするでござる。情報に追加があれば拙者からも進言させていただくでござるよ』

『了解!』

『弱点属性がちょっとわからないそうだ。接敵してすぐ案山子の【鑑定】で頼む』

『セツナっちの方が今はもう高そうだけど、おっけーッ!』

【鑑定】の熟練度がイマイチわからないんだよね。そういうの表示されない上に、使わないと突然消えるそうだ。怖い怖い。それだけ便利なスキルってことだな。

ハーピーの生息地は山の上の方だそうで、結構細い道を延々歩くことになる。

『足場が悪いわね』

『崖から落ちるエンドがありそうなのじゃ……怖いっ!』

『半蔵門線は投網準備かなぁ』

『了解したでござる』

ドキドキしながら進んでいく。たまにウサギがちょろっと出てくるのだが、これは本当によわっちい。

『ウサギ肉は料理します! ウロブルで売ってた串焼きがウサギ肉で美味しかったんだよ』

『可愛いけど、美味しいのね~美味しいなら仕方ないわっ!』

可愛いより強いのが美味しい。

そしてしばらく歩いて【気配察知】に引っかかる。

『中型2体。たぶんハーピーじゃないかな?』

ウサギちゃんより明らかにでかかった。

『んじゃ様子見ながらだな。柚子の【フロストサークル】からいってみよう』

『氷割りするでござるかぁ~』

『1体ずつ始末していこう』

そりゃ、ハーピーさんも氷漬けされたくないですよね。【鑑定】で、土属性が効くとはわかったが、やつら空飛んでるからな。とりま引きずり下ろさねばということに。

そして、2体が同時に羽根をばっさばっさやったら、柚子の展開した【フロストサークル】の氷がこちらに向かってきたのだ。

『キャストキャンセル!』

という名の殴りを入れさせてもらいました。

『痛い、痛いのじゃ……でもありがとうなのじゃ』

柚子の魔法強いからこっちが凍ってしまう。

ハーピーはそのまま羽根の混じった風を起こしてきた。

『ここにきてやっぱり敵も強くなったってやつか!?』

同じ方向にいると不利だと即座に判断し、俺たちは三々五々散っている。

『案山子さん、俺のところ来ても回避は【投擲】ですよ』

ピロリのところに行けよー。

長身すぎて運べないんだよ……。

『とりあえず2体は無理だろーこれぇー』

『確かに……』

『1体黙らせようか……半蔵門線さん、フェイント【投擲】お願いするんで準備よろしく』

「ぎょろちゃん、おいで。【フロストダイス】」

べろりんと俺の手から冷たい氷のサイコロを持って行く。

我が意を得たりと半蔵門線。ちょうど俺の反対側にいるのだ。

「【投擲】」

石が2つ、それぞれに飛ぶ。すかさず突風がそちらへ向く。

ぎょろちゃんの首あたりを撫でると、ぎょろちゃんがダイスを振った。

「30秒! さすが!」

そして柚子も俺の意図を理解し、ぎょろちゃんから少し遅れて残っているハーピーにダイスを投げていた。と同時に【フロストサークル】も展開している。おお! 魔術師様の二重詠唱!

柚子のサイコロは1×2なので2秒だが、それでも動きを止めてしまえばこちらのものだ。

「【投網】」

1秒のハーピーが引きずり降ろされる。そしてそこは【フロストサークル】が展開される極寒の地。

「【一身集中】」

投網は羽根の鋭さですぐに破かれるが、ソーダがヘイト取りをしたことによってハーピーの動きが遅れる。

さらに、ピロリが舞った。ハーピーの羽根へ切りつける。足の爪は【投擲】の網に絡まったままだ。

ようやく【フロストサークル】が吹き荒れるが、ピロリは氷の耐性バフをつけてもらっていたのかまったく問題なし。ハーピーは凍る。そこをピロリに……素手で殴られる。からの凍るを何度も繰り返していた。

「【ダークストライク】【ファイアーアロー】」

詠唱速度激はやの【ダークストライク】とそれなりにかかる【ファイアーアロー】、案山子の二重詠唱は、ダイスで固まっていた方のハーピーへ降り注いだ。もちろん、柚子の【フロストサークル】の範囲内なので魔法で氷が割れた瞬間また凍る。ダメージだけ食らっていく。

氷魔法が人気があるのもよくわかった。火は派手だけど、氷はハメ技のようになる。

なんとか倒して爪が1つ手に入った。他にはハーピーの羽根も入手できる。羽根の方がドロップが多いのか6つ落ちた。

『事前情報はハーピー強い、毒大変、魔法が風で打ち消されるだったが、打ち消される以上のことやってきたな』

八海山が難しい顔をしているけど、尻尾ふりふりしてるからたぶん楽しんでる。

やられたのにソーダも笑ってるし、こいつら……。

『とりま今のヤツでもう一回やってみようか。問題は、3体来たときだなあ』

『拙者、【投網】の材料がちょっと乏しいでござる』

『ピロリ、柚子の方のダイスハーピー、数秒抑えられるか?』

『空に逃げられそうよね~頑張ってみるけど』

『八海山、ピロリと半蔵門線とセツナに氷耐性かけておいてくれ。戦闘始まってからでいいから』

『わかった』

毒よりも、【フロストサークル】をはねのけられる方が大変だった。

俺と半蔵門線がほぼ対軸のあたりへ、柚子が2人から一番遠いところへ。そうやって三角形のようにハーピー2体を挟み、半蔵門線が【投擲】でヘイトを向けさせ俺たちが後ろからサイコロで固めた。

柚子の方のハーピーを上手く抑えられれば余裕、抑えられないと毒の爪で結構大変な目に遭うことに。【フロストサークル】中の柚子だけはなんとか守り切る戦法でなんとか耐えるが、ハーピーの体力がかなり高く、接敵時間が長いので効率の出ない狩りだ。

3匹同時は阿鼻叫喚の地獄絵図になる。

綺麗なお姉さんはアンジェリーナさんで十分です。