軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

236.得られるものは

黄の間は砂の中から宝石を探すという宝探しゲーム。

大人が砂の中にダイブする。

なんかあれだ。ボールプール! 子どもたちが突っ込んでいって遊ぶヤツ。

範囲風魔法があると砂が巻き上がって宝石を見つけるのが早くなるらしい。わりと表層にあって、しかも宝石はバスケットボール大なので見つけやすいそう。

ただ、空間がでかい。

『これも何か簡単な方法があったりは……?』

『ないのじゃっ!』

なんてこと……。

『あーじゃあ、俺ダガーに風付与して、【突風】するから、こー縦に、砂の表面をさらうように』

『お、面白そうじゃん。やってみよう』

この【突風】は、ダガーでもなんでも出来る固有じゃない風付与のスキルだった。そんなやつも色々とあるらしいんだよなぁ。奥が深い。

「【風付与】【突風】」

すかさず案山子が【MP譲渡】をしてくれる。

幅は1メートルくらいだが、風は反対側の端まで届くようだ。

『いーじゃん。じゃあ、セツナ真ん中からそっち側やってってよ。で、俺らは地道に端から探してこ』

『了解でござる』

【突風】の幅は1メートル。もう1メートル空けて、再び【突風】。

しばらく続けていると、【突風】の先でキラリと光る赤いボールが飛んだ。

『あったぞーっ!!』

俺が駆け寄ると……本当にキラッキラの赤いバスケットボール。かなり重い。本物だったらすごいなぁ。

『かなり早く見つかったな。ラッキー』

『私のパンチはそこまで範囲広くないしね』

そう、ピロリは地面にこぶし叩き込んでた。

闘拳士なれたんじゃないの!?

次の緑の扉に赤いバスケットボール風宝石をはめたら開きました。

そしてこの緑が最大の難関、俺と半蔵門線のコラボアスレチック。

『初見殺ししてたら大変なので、きちんと説明するでござる』

『お願いします』

ここ、パーティーチャットが使えるらしく、ようは色の順番を交互にクリアしていくらしい。タイミングも大切。

タイミングを合わせられるための休憩場があるので、そこでせーので行くらしい。

『どうしても速さが必要になるところがあってなぁ……』

『大変だったのよー』

足の速さでなんとかしないといけない場所が最大の難関だそう。

色々説明されたが……頑張ります。

『まあ、初期地には5人残ってるから。大丈夫だ。気にせず何度もチャレンジしてこい』

赤橙黄緑青藍紫を嫌と言うほど唱えさせられた。

『それじゃあセツナ殿健闘を祈るでござるよー』

待機所には右と左に分かれる真っ白な扉があった。扉の上に定員1名と書いてある。中に入ればさらに小さな部屋になっていて、壁に『OK?』の文字の下にボタンがあった。これが両方の部屋で押されると、――部屋の底が抜ける。

落ちると言うよりは場面が切り替わるような感覚だ。なんでも落ちるのが苦手な人のためのシステムらしい。

うーん、【翻訳】覚えた時もさほど落ちた感覚なしに着地して、でも上の空間がすごく空いていたもんな。それでも、落ちた感じはしたけれど。あれは真っ暗だったから余計にかもしれない。

そして目の前に広がる空間と、虹色タイル。また順番にタイルを踏んで進んで行くものだ。ただし、交互に。さすがに正解だと落ちはしないそうだ。それなら焦らず騒がずパーティーチャットできちんと声を掛けつつクリア。今度は細い通路に通されると、眼前からカラフル壁が迫ってきた。

『こっち赤アリ』

『橙あります!』

壁に突っ込んで行くのだが、虹色の順番に突っ込めば助かるが、ダメだと初期地点に戻される。

どちらにも赤があったりするが、次の色がある方が残らないと次の色をくぐれないのだ。

俺の方には赤も橙もあるが、半蔵門線の方にはないのだろう。半蔵門線が先にくぐらなければいけない。

ここが、判断と足の速さがいると言っていた場所だ。

『赤通過! 黄色ない!』

これを言われてから俺は橙へダッシュする。向こうに黄色がないなら俺の方にあるのだろうが、半蔵門線にも壁が迫っている。俺は連続ダッシュしないといけない。

橙を通過するとその向こうにまた壁が向かって来ているので、黄の壁にダッシュ。

2つ連続はざらだそうで、問題は3つ4つ連続になった際、急がないと4つくぐる間に向こうが当たりのない壁に激突してしまうのだ。

『黄通過! 青藍なしです』

『3連続でござるねー』

紫の壁は見える。

この部屋バック出来ない。黄色の壁をくぐった瞬間後ろは白い壁になるのだ。1歩でも前に出たら命取り。

『藍通過赤橙アリ』

『こっちに赤あったらついでにくぐります。……赤アリくぐる!』

きちんと主張し続けることが大切だと言われてる。

このVRMMO、ソロでももちろん問題ない。ただ、こういった協力型ダンジョンがどうしても存在するそうだ。アリダンジョンだって、1人で攻略するのはなかなかに難しいだろう。知り合いを作って、友人と一緒に、ゲームをさせようとする。その代わり、トラブルにはかなり迅速対応がなされる。反対に、1人でしか入れないダンジョンもあるらしい。ひたすらソロでモンスターを倒して行くという。それはそれでなかなかよいドロップが手に入るそうだ。NPC売りでもお高いもの。

なるべく2連続はくぐるようにする。

最初に約束しておいた。そうすれば4連続はかなり避けられるという。

3連続、4連続をクリアするために足の速さが必要で、ただ、敏捷値がかなり高いので、俺と半蔵門線だとかなり余裕でクリアできたそうだ。

大変だったけど!!

『わーい、おめでとう。やっぱりダッシュの効き方が違うのねえ』

とピロリが感慨深そうに頷いていた。

『セツナ殿いると4連続がほとんどなくなるから助かるでござるよ』

『俺やピロリとやると、半蔵門線、5連続あったもんな』

それはエグいなぁ~。

最大の難関と言われていた緑の間を無事抜けることができて、青藍紫はモンスターとの戦いだった。虹色の順番に倒さないといけなかったり、最初に割り振られた虹色の順番に攻撃を仕掛けなければならなかったり、色々とルールはあったが戦闘となれば問題ない。

無事紫の間を抜けて虹色の間に辿り着いた。そこには人数分の宝箱が置いてある。そんなに広くない部屋だった。

『これで無事ゴールだな。さて……宝箱どれにする!?』

『せっちゃんから選ぶのじゃ』

『拙者最後でいいでござる。残り物には福があるからして』

などと話しつつ、それぞれ宝箱を決めると開く。

『お、紫の星の欠片だ』

『紫ッ!! 欲しかったッ!!』

『どんな効果があるの?』

【鑑定】しても後ろに空白があるだけだった。

『譲渡不可だからこれから何かがあるんだろうなとは言われてる。俺橙3つ揃ったし。欠片的にあと2つくらいで球になるんだよ。そして球と言えば、宝珠』

『5つ集めると宝珠になる!?』

『わかんねーけどなー。まあ、たまに来て、ゆっくり集めようって感じかな。途中出るモンスターのドロップ、店売りでも結構いいし。まだ揃えたヤツはいないらしいけどな』

『手間のかかるダンジョンだしね~』

確かに、今日はなかなかに大変だった。