軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

203.毒の花

先日出くわしたようなプレイヤーは、あそこまであからさまでないにしろ、一定数いるようだ。有名クラン所属メンバーならクラン同士の問題にもできるし、クランはそういったゴタゴタを嫌うので普段から注意される。注意する者がいなくて、エスカレートしていくのだろうと。

あまりなんでもほいほいと施しすることは止めておけと言われた。特に動画の視聴数が高いから、それなりの攻撃力があるプレイヤーに付け狙われたりしたら面倒だと。

気をつけます。

まあ、そこら辺の対策のために動画を撮っておくのが結局はいいだろう。かなりの量になってきている。整理整頓していかないと大変。

昼間はアンジェリーナさんのところで本を読む。そして夜は 細剣(レイピア) 触媒用花集めに行きたいと思う。

先日、とりあえず大急ぎで集めたのが、地のポピーだ。

水のベロニカはウンディーネの泉のそばに咲いていた。地のポピーはなんと、俺の牛丼マップのところに咲いているのを見たことがあったのだ。ポピーくらい知ってる。ケシに似てるのも知ってる。

貸本屋で最後に選んだ本は、花の本だ。何冊かまとめてカウンターに置くと、アンジェリーナさんは笑う。

「あら、今度はお花屋さんになるの?」

「俺は修復師を頑張りたいので花屋にはなりませんよ!! 付与の触媒が花なんです。ほら、先日アンジェリーナさんが教えてくれたベロニカも触媒になりました」

「ああ! 細剣(レイピア) 用の触媒ね。錬金術師とも出会えたのね、良かったわ」

アンジェリーナさんは何でも知っている。

「案外近くにいてびっくりです」

「隠されて、受け継がれてきているからね……修復用の素材採りも大切な修復師としての仕事だわ。ある程度どこにでも行けるようにしておかないとね」

「はいっ!」

やっぱり図鑑タイプがわかりやすかった。

索引で名前を調べると一発だ。だいたいの生息地も書いてある。助かる~。

まあ図鑑で調べるまでもなくわかってるのは1つあったけどね。

ということで、わかりやすいヤツから行くか。

……手料理は食べないっ!

「こんばんは、ビエナちゃん」

「あ、お兄ちゃん! 久しぶりだね!! ご飯食べてく?」

ダメだってこの間自覚してたよね!? しれっとヤりにきてるこの子!!

フリフリの洋服で可愛らしい格好をしているけど騙されてはいけない。

「今日は、ベラドンナの花を買い付けに来たんだ」

「ベラドンナを?」

「もしかして直売りはしてない? それなら卸してる商人さんを教えてもらえると助かるな」

「ううん。直売オッケーだよ!」

そういって毒草園を案内された。相変わらずあちこちから危険な気配のする場所だ。【鑑定】が育ったからなおのこと。ちょっと目をやると危険とか死とかそんな文字が飛び交うのだ。

怖いよぉ……。

ベラドンナ、鉢植えタイプ。

「この子はね、うーん、お兄ちゃんは手袋して扱った方がいいよ!」

でしょうね。肝に銘じます。

「前にあげた鉢植えと違って、葉っぱを採らなければお花は何度でも咲くよ。次のが咲くのに2、3日かかるけど。放っておいても元気な強い種だよ!」

お礼を言って【持ち物】へ。

代金は35万シェル。けっこうするけど、この1株でずっと触媒の材料が手に入ると考えれば安いものだ。

「また遊びに来てね~」

毒魔法育てるためにはたぶんここに世話になる。なかよくしてください。

次は火と氷を手に入れたいのだが、事前のマップ情報が欲しい。

セツナ:

フロックスの花と、サンカヨウの花の生息地がどんなところかわかりますか?

それぞれ、イェーメールの南に5マップくらいのところと、ファンルーアの北に3マップくらいのところ。

柚子:

ファンルーア北3マップは高山地帯じゃな。モンスターもつおい。せっちゃんならソロで駆け抜けるのは平気かなぁ~。いうほどうまみのないマップじゃから、人はまずいない。

ということは、花だけ見つけてぎょろちゃんで駆け抜けるのはありか。

半蔵門線:

イェーメール南の5マップって、火マップでござるか?

火系モンスターがわんさかなのでセツナ殿1人はキツいでござるねー。

ソーダ:

なんか必要なものあるの?

セツナ:

この間貝採り付き合ってもらったけど、もう1つ花と一緒にして錬金術で付与の触媒ができる。その花が咲いている、予定。

ソーダ:

必要だな、そりゃ。いいよ、今日は難しいけど、火マップは明日クラン狩りしても。

あそこで手に入る火ネズミの皮衣、耐火衣装の材料として優秀だから裁縫師に高く売れるし。

柚子:

私の【フロストサークル】が火を噴くのじゃぁ~

ピロリ:

つっこみませーん!

半蔵門線:

ファンルーア北なら拙者いまからお付き合いするでござるよ。イェーメールから騎獣で行くでござる。イェーメール集合でござる~!

セツナ:

ありがとうございます。

わかりやすいからと酒屋集合。もう日が暮れたので酒屋は閉店していた。

だいたい17時開店20時閉店らしい。早い。めちゃくちゃ早い。

昼間店舗を遊ばせている!! いや、従業員の稼働時間が3時間だから人件費は極安か。店舗は在庫置き場としても使われているし、そんなものなのかもしれない。

「おまたせでござる~」

パーティーニンニンが結成された。

『なるべく【気配察知】で接敵数減らして行くでござる。件のマップに入ったら騎獣はしまった方がいいでござるね。セツナ殿と拙者なら小回りが利く方がいいでござるよ』

『了解です!』

そして騎獣の旅だ。

ここのところよく【フロストダイス】お願いするのに出しているので、また近々赤水晶採りに行かねば。

呼び出せば呼び出すほど可愛くなっていくので、つい呼び出したくなる。

だいたい街から2マップはソロでも問題ない。だが、それ以上先に行くとモンスターが強くなってくる傾向にある。

騎獣を降りたあとは【気配察知】頼りにマップを進んだ。

『そういえば暗殺ギルドの例の文章は大丈夫でした?』

『おかげさまで大丈夫だったでござるよ。提出時にセツナ殿に言われたことを話したら、褒められたでござる。経緯を話したらセツナ殿を勧誘したらどうかと言われたでござるね』

『お断りです!』

『だろうとは思ったでござる』

入るなら情報ギルドの方が健全そうだという言葉は飲み込んだ。これ以上やることを増やす気もない。