軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

193.赤い花の栞

とりあえずいったんここを離脱することにする。

ヴァージルたちは罪人連行だろうし、1度トラヴィスとは分かれた。

『回り道をしてお屋敷に行くのじゃ』

『問題はこの金をどうするかですね。もし借金取りが来たら困るしなぁ……』

『支配人逃げ切ったらしいし、逃走資金回収に来る可能性もあるのじゃ』

『ですよね~ただ、トラヴィスには預けられん』

俺の言葉に柚子は高速頷きをしていた。

ヤツに預けたらすぐ新しいギャンブルに溶かすだろう!?

『クエスト完了まだ来てないんですよね?』

『じゃなぁ。もう一波乱あるかもしれぬ。なかなか長いクエストじゃ』

そして、屋敷に入り、通された先で笑顔の聖騎士に出会ったところで柚子のクエスト完了通知。

「やあセツナ。詳しく説明してくれるかな?」

すでに泣いて鼻水垂らしてるトラヴィスがいた。

説明、全部聞き出してますやん……。

『酷い目にあったのじゃ。怒ったヴァージル怖い』

『大人になってあんなに怒られるの嫌だ』

1000万シェルはアスター家に預けておいた。俺たちの得た金だからと言われたが、支配人が来たときに一応渡せるようにしておいた方がいいと思って。

借金は借金だからね。いらないって言われたけどまあ、預けた。

その渡すときにまた捕まえたりはヴァージルに任せる。

裏カジノがこれでなくなるのかと思えば、合法カジノはアランブレにあるらしい。さらに、イェーメールに別の裏カジノが出来るという。合法カジノは、レートが低い。純粋にポイントを溜めて景品と交換する場所。裏カジノはレートが高く、換金されるのでそちらにはまるプレイヤーも多いそうだ。

まあ、ゲーム内なら身を持ち崩すわけじゃないからいいだろう。

余分に儲けた200万シェルと酒代100万シェルを柚子と山分けした。日本酒代は柚子が大量のガラス瓶をくれた。

『毒瓶とポーション瓶に使っておくれ』

そうだ。毒の葉っぱ摘んで生産施設とやらに行ってみないとな。

クランハウスに戻ってみると、案山子以外は揃っていた。

「セツナ、柚子、明日のクラン狩り、アリダンジョンな。女王手前まで」

「了解なのじゃ」

「殻いいお値段するもんな」

NPC売りでも結構な儲けになるらしい。経験値も入るし。

「それなんだけど、イェーメールの鍛冶屋がなんか大騒ぎになってさ。殻買うって言ってくれてるんだよ。しかも店売りの1.5倍」

「おお! 新しい防具が出来上がる予感じゃな」

ソーダは結構頻繁にあの飲兵衛ストリートに顔を出しているそうだ。

「半蔵門線さんは忍者の具合はどうですか?」

「忍者マスターが厳しくて、なかなか固有スキルを教えてくれないでござる……条件設定がエグいでござるね~」

あちらの道も険しいようだ。

「この後俺は学園で夜間授業だから、またなー」

八海山もソロ狩りで憂さを晴らすという。憂さ溜まってるの……?

三々五々散っていくので、俺は貸本屋に飛び込んだ。

「閉店前にすみません。貸し出ししていきます」

「気にしなくていいわよ~ゆっくり選んでね」

ここのところ、夜ギリギリのときは1冊借りて自室で読むようにしているのだ。

目指せ次の400冊!

部屋で読むのはゆっくりだが、1冊分稼ぎたいから。そのあとミュス狩りだ。ミュス狩りは飽きないんだよな~謎に。なんでだろうね。最近はぎょろちゃん出したまま一緒に平原で駆け回ってる。赤水晶使うけどそこはそれです。

赤水晶欲しくなると俺の腕に舌を絡ませてくるんだぜ……可愛いだろう。べたべた。

ギャンブルしに行く前に部屋のストレージになるべく預けて行ったので、荷物の移動をせっせとする。身ぐるみ剥がされたとき対策しておいたのだ。

その中で、赤い押し花の栞を見つけた。

懐かしい。もう遠い昔の気分だ。せっかくなので今日の本に挟んでみる。本に栞はさむとか、久しぶりかもしれない。すっかりスマホで電子書籍を読むようになってしまったので、栞やブックカバーはどこかに行ってしまった。

ぱたんと本を閉じてみると、栞の赤いリボンが飛び出して、なんだかのすたるじいいい~~~?

気付くと俺は道ばたに寝転がっていた。

あれー?

《協力型クエスト オリオンの赤い星が始まります。15:00》

うぇっ!?

ワールドアナウンスだ。

セツナ:

オリオンって何-!?

ソーダ:

おまえっ!! 発動しちゃったのか。やーちょい待て。

ピロリ:

うちで赤残ってるのはー!?

案山子:

俺ッ!! 図書館行っておねんねしてくるッ!

八海山:

図書館開いてる時間で良かったなあ。ギリギリだが。

ソーダ:

えーっと、一応スレ民の挙手が50人近くあった。

100人いてギリギリなんだよなぁ。セツナ、とりま案山子と合流できたらしてくれ。地図開いて。

セツナ:

ちょいまち~なんかアナウンスが始まる。

《巨人の狩人オリオンは、驕っていた。己の強さにあぐらをかき、各地でやりたい放題。か弱き人々の生活が脅かされる》

《ミッション! 各地で暴れるオリオンを撃退せよ! 15/15 開始まで12:00》

セツナ:

ミッション始まった。

ソーダ:

おっけ。とりまお前の現在位置を教えろ~地図に15拠点書いてあると思うんだ。お前の拠点番号を述べよ。このミッションは、最低が5拠点。出来れば10拠点以上クリアが1番よいアイテムの条件な! 触媒どのくらい持ってる?

セツナ:

んーわりとたくさん? みんな10以上。拠点は8。

ソーダ:

ダインが参加してるらしいから、ダインに付与してやってくれ。火か毒か。

セツナ:

了解。

案山子:

俺の拠点4だ-! 頑張ってから行く。とりまスレに報告よろ。ある程度人集まって来てるからこっちはなんとか行けそう。

ソーダ:

了解。

あと、セツナそこ、オリオンチャットあるし、みんなパーティーみたいな感じだから。お前の周りもチェックするから向かう拠点指示するよ。参加者のばらつきと職調べて攻略考える。仕方ないから今日はそっちに付き合う。

セツナ:

なんかよくわからないけどありがとう。

良いアイテム狙い?

ソーダ:

オリオンの宝珠がかなり優秀。まあ、12神ほどじゃないけど。

ソーダと話している間に周囲に人が集まってきた。

「こんばんは~ヒーラーです」

「よろしくータンクです」

「よろ~風系魔法使いです」

「こんばんは、えーっと、付与師です」

「あ、ってやだ、セツナくんじゃーん! 見事に付与する相手いなくてワロ」

ホントだ、武器使う人いない。

「とりまスレ報告しておこうか。4人だけかな、今のところ」

「どっか付与する相手のところと合流出来るといいね。セツナくんの付与見てみたいわ」

「耐久どんなもんか教えてくれ」

ヒーラーのエルフさんが俺たちに問う。

「紙」

「紙」

「戦車」

「両極端だなー。まあ了解」

「セツナくん、スレ見ないんだよね」

「そうですねー。今ソーダがやることをクランチャットで教えてくれてます」

「まあ、オリオン1体でも多く倒そうってのがこのクエストの趣旨なので。10人いれば余裕。5人じゃひぃひぃ」

「つまり……」

「かなりキツいっ!!」

なんてことっ!