軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

186.カジノへGO

「さあ、行くのじゃせっちゃん」

「余計な物は全部置いてきましたよ」

本日は、柚子と一緒にイェーメールのカジノに潜入です。

そう、【フロストダイス】をゲットするためにっ!

2人揃って黒服をキメて来ている。サングラスをと言ったら、不正禁止のために目を覆うものはダメらしい。残念。雰囲気出したかった。

イェーメールのカジノは非合法らしく、なんと、お茶を楽しむお店で特定の注文をすると奥に通されるらしい。

こんな怪しい服装2人で来るところじゃない。

他の街から来る貴族の人も多いらしく、かなりおしゃれ喫茶店だ。

「ホットミルクと……せっちゃんは何にするんじゃ?」

「あーじゃあアイスコーヒーで」

「あとは今日のオススメを。奥の席希望なのじゃ!」

カウンターでお兄さんに言うと、それでは席に案内しますといつの間にか真後ろに立っていた店員さんに連れられて行く。

奥の扉を開けて、さらに奥へ。

その扉が開くと、長い階段が地下へと続いていた。

「ホットミルク、今日のオススメ、奥の席、がキーワードじゃよ。1人で来るならそれで」

「へーっ、普通のお客さんも迷い込みそうですね」

「たまにありますね」

とは前を行く店員さん。

「間違って来たお客さんはどうなるんだろう?」

「ハハハ」

笑って、ごまかしすらしてなくて怖いんだけど。

階段を降りきったところで再び扉。

そこが開かれると、おおーカジノだ。

天井には豪華なシャンデリア。床は赤い絨毯で、あちこちにテーブルがあった。ポーカーか、ブラックジャックかはわからないが、トランプを扱っているテーブルが10ほど。スロットもある。あっちはバカラかな? サイコロを振っているゲームもあった。

かなり広いけど、そこまで人が入っているわけじゃない。お上品な感じなので、みんな優雅に賭けを楽しんでいた。

《これより、クランチャット、パーティーチャット、フレンドチャットの使用を禁止します。また、EPを回復させる物以外の【持ち物】、アイテムポーチの利用を禁止します》

「まずはこちらで換金を」

カウンターのようなところに案内されて、金品を要求されました。

つまり、コイン交換してくださいって。

事前に言われた通り、10万シェルをコインに。

「10枚にしかならないなんて……」

「そんなもんじゃよ。さあ、ルーレット行くのじゃー!!」

2度目のカジノだが、柚子も楽しそうだ。

「まあ、手っ取り早く勝つなら、ルーレットじゃよ。ここから先に行かねばならんからな。勝たないとだめなんじゃ」

「ほうほう」

「一緒に来ているとどっちかが勝てばいいらしいからな、ルーレットで色を分けて賭けるぞ。ちなみに、幸運値は関係ないとは言われておる」

あったら絶望的なんだけどね。

しかし、こういった空間はちょっとわくわくするね。

俺は大人しく柚子の後ろをついていく。

柚子がルーレット台に近づくと、 店員(フロアパーソン) が台座を持ってきて、柚子の横にそっと置いた。

「ありがとうなのじゃ~」

と言いながらチップを渡している。1万シェルをぽいっと!!

「お飲み物を準備させていただきますが?」

「アイスレモンティーがいいのじゃ」

「お連れ様は?」

「あー、アイスコーヒーをミルクだけお願いします」

「承知いたしました」

柚子がにやりと笑ってウィンクした。

慣れてやがるぜ……。

「さあ、ゲームを始めましょう。チップを賭けてください」

ディーラーがベルをチリンと鳴らした。

「ここはチップをそのまま賭けてよいから、好きなところに置くのじゃ。せっちゃんはどこにする?」

「あーじゃあ、黒で」

「ふふ、私は赤なのじゃ!」

周囲の人々も次々にチップを台に置いた。

その間にディーラーはルーレットを回す。

「ノー・モア・ベット」

チリンチリンとベルが2回鳴る。

だんだんとルーレットの回りが遅くなり出したところで、飲み物が届けられた。

「あ、ありがとうございます」

スマートじゃ無いのはわかってるけどついお礼言っちゃうな。

カランカランとボールが跳ね出し、やがて止まった。

「赤の6」

ああ、とかおおとかの声に混ざり、

柚子がふふんと笑った。

「まあ、色は2倍じゃな」

「そうですねー。えー、ちょっと別にも賭けてみたくなってきた」

「まあ、好きにしたらいいのじゃ。あれはまた次の機会でもいいし。初めてのカジノ……嵌まったら最後の沼じゃぞ。ほら、あそこにいる来訪者。久しぶりに来たのに、前も見た。かなり嵌まっているのじゃ」

ああ……身代潰すやつっ……狩りのドロップつぎ込んでるのかなぁ?

ということで自由にやらせてもらうことになった。

わーい。

数字にも賭けちゃおう。

10枚しかないチップ。あっという間に残り3枚。

ただ、柚子は堅実に赤黒賭けをしているので、多少プラスっぽい。

「素人の賭け方だな」

いつの間にか隣にいた、……全体的にくたびれた男に話しかけられた。なんか見たことある顔。いけ、めん? くたびれ過ぎなんだよ、このお兄さん。

「ほら、あのディーラー、あそこの金持ちに勝たせようとしてるんだよ。1回勝たせて、搾り取るって算段だ。つまり、あの金持ちのところにチップ1枚だけ賭ければおこぼれがもらえるって寸法さ。それに気付いてるのは俺だけ」

ほ、ほう?

金持ちというのはそうだろう。指に高そうな宝石のついた指輪をいくつもしているおばさまだ。

チリンとベルが鳴る。

おばさまは、数字の8に賭けた。

俺も、せっかくの忠告なので8に賭けてみることにする。隣の男は別のところに賭けていた。

「2人して賭けに行ったら当たらせないだろう? スプリットにしておけ」

「スプリット?」

「本当に初心者か。数字をまたがせるんだよ。2つ数字を選ぶんだ。例えば、7と8」

ほうほうほう。ならオススメの7と8にした。

「ノー・モア・ベット」

チリンチリンとベルが2回鳴る。

すでに回っているボールが弾んで、やがて、8に止まった。

向かいのおばさまが大喜び。

俺も大喜びです!!

「せっちゃんすごいのじゃ~!」

「取り戻しましたっ」

賭け方なんて知らんかったよ。

そして、後ろに立つ、また別の男に話しかけられた。

「今日は幸運の女神に愛されているようですね。もしよろしければ他のテーブルへご招待させていただけませんか?」

柚子の目が爛々と光っている。

「是非なのじゃ」

「お願いします」

「俺もついていっていいよな? 支配人」

賭けるところを教えてくれた男が言うと、支配人と呼ばれた男はキラリと目を光らせ、もちろんですと頷いた。