軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

169.女王アリリベンジ

女王アリの弱体化は進んでいた。

隠し部屋を見つけたのが大きかった。前回は表だったところだけで30%だったが、今回は50%になっている。

『女王の弱体化も進んでるなっ! 行くぞ-!』

俺はメインアタッカーに毒付与を配る。すかさず柚子がMPをくれた。

ありがたし。

ロジックのメンバーは筋力過多っぽい。普段の戦闘のバランスどうなってたんだろう。鯉のぼりボートレースの時も筋力に物を言わせてたし。

アリたちの攻撃パターンは最初は同じだがHPが半分。つまり、最終形態に変わるのも早い。

「【ぬかるみ】」

「【ポイズンボム】」

毒に弱いという情報から、一応毒皿を食べた魔法使いに俺の毒の素を渡しておいた。熟練度も初期値レベルなら、知力が多い方がより効く。なぜか毒でも知力依存なのだ。毒の種類変えたらまた変わるのかもしれないが。結局先生から毒の追加情報聞く前に来ちゃったなぁ。

『【毒付与】だとアリに刃が入るな。付与いいなぁ』

『僕の付与では刃は入らないです』

黒豆さん、頑張れ。ヒントはきっと散らばっている。本読んだのかなぁ?

そして、女王アリの奇声。

『傘準備!!!』

柚子がフロストサークル中だったので、俺はその前に傘を広げる。

『結構可愛くしてもらったのよ~』

『ピロリが傘職人に文句ばっかりだからあっちがキレないかヒヤヒヤした』

アリの外殻は黒い。そこに赤いラインで綺麗な花の絵が入っているのだ。彼岸花だった。

蟻酸がそこら中に振りまかれる。

『被害は!?』

『なし!』

『毒には弱いけど酸には強いんだな』

『総攻撃行く。セツナ、ぎょろちゃん!』

「【フロストダイス】」

「ぎょろちゃんおいで!」

ぎょろちゃんに蟻酸が掛かるのが嫌だったので、一度出すまで待っていてもらったのだ。

ぎょろちゃんは自分の役目をわかっているお利口さんだ。

柚子の手からべろりんとサイコロを受け取り、女王アリに投げつける。

『ぎょろちゃんサイコーっ!!』

『幸運の女神っ!!』

『総員突撃!!』

ここぞというときに6のゾロ目を出してくるぎょろちゃんホントすごい。

固まった女王アリに、毒付与の四人が殴りかかる。まずは足の関節。

「「【一刀両断】」」

ピロリとダインが叫ぶ。

「【断罪の楔】」

大きな斧を振りかぶるのは蒼炎の緑髪さん。斧は重量感がすごい。振り下ろした先がずんってなるんだよ。

「【ぶんまわし】」

普段は背中に背負ってる、大剣を振り回すのは、ロジックの男性ショッキングピンクの髪。派手だなー!!

足が4本ぶっ飛んだ。後ろ足と、前足同じ側が残っていてバランスの取りようもなく、身体を起こせなくなった。

『蟻酸吐くときは頭を後ろに引くから、それだけはよく見ててくれ! 動けない魔法使いにはサポート!』

頭を動かすことは出来るし、卵爆弾は相変わらず飛んでくるので【投擲】で羽根を狙う。

攻撃の種類が限定されたおかげで、蟻酸をすぐ吐いてくるようにはなったが、傘が強かった。

傘の案は、学院からもたらされたらしい。学院に潜り込んでいる人が、研究員から傘のような物で防げば、とか、ローレンガの番傘職人に聞いてみたら、とヒントがもたらされたそうだ。

そうやって何度か攻防を繰り返し、ようやくプレイヤーのみで女王アリを始末することが出来た。

始まりの平原で感想反省会が催されているところ。

「いやー、お疲れ様。強かったなぁ、蟻酸」

「蟻酸対策がすべて……いや、3クラン合同だったから火力あったのもある」

「弱体化するのがわかって、全部部屋潰せたのもよかったですね~」

なんてことを話しながら宴会だ。

「1クランだけで攻略となると、火力と、やっぱり氷系ないとキツいかな?」

「足止めがいるね。あと、毒か」

「毒魔法ちょっと熟練度上げるよ。毒草どこにしまったかなぁ……」

「そういや、エナドリ。今回は使わずに済んだけど、最後のごり押しに使うのはアリだよな」

「お高い飲み物じゃけど~」

女王アリのドロップはクラン合同なので、一応クランごとでわけることにした。

「女王アリの目玉が【鑑定】で見てもまったくわからないッ!! またアクセサリーだとは思うけどッ!」

前回の分もクランストレージに眠っているという。

「学院の先生に見せてみる? 毒教えてくれたのも、たぶんその、アリの外殻が酸に強いって教えてくれた人な気がする。ぐるりと回って」

「ありそうだな。蒼炎の 紬(つむぎ) さんだっけ? 学院で聞いてきてくれたの」

「そうですね、紬に聞いてもらいます」

そこからは学園に入り込んだ話とか、学院に潜り込もうとして失敗した話をいくつか。やっぱり何の研究室を見学したいとか明確に述べないと門前払いされるそう。

あのとき本読んでから行ってよかった。

しかし今回のことで切実に、【フロストダイス】を取るべきだと俺は確信した!

今、何かガラス加工系で頑張っているところらしいので、それが終わったら連れて行ってくれるとのこと。

連れて行く……どこだろ?

「そういえば、退魔師どうなった?」

「何人か知り合いは取れたって聞いた。退魔の書とか、アップグレード方式なのか、それとも新しいのを手に入れる方式なのか」

「スレでも検討会始まってるね。お勧め狩り場も一覧揃ってきてる」

「ソロでできるようになったのがいい」

基本回復、補助のスキルしかないから、一人で狩りが難しかったそうだ。

「クラン狩りがメインだから別にいいと言えばいいんだが、たまにはモンスターを積極的に狩りたい」

「怖い怖い、八海山がそういうこと言うと怖い」

穏やか系わんこにそぐわない発言でみんなが震える。

と、クランチャットに響くござるの叫び。

狩り終わったら、じゃあって去って行ったと思ったら。

半蔵門線:

忍者爆誕でござるううううううううううううううう!!!!

ソーダ:

おお!! おめっ!!

ピロリ:

おめでと~やったわねー!

案山子:

念願叶ったねッ!!

八海山:

おめでとう。

柚子:

おめなのじゃ~これで新職2つめなのじゃ~わーまた変なの来そう~♪

セツナ:

おめでとうございます。

半蔵門線:

ありがとうでござる!!

仲間にルート説明するのに面倒だからソーダのチャンネル借りるでござるよ。

ソーダ:

まあいいけど。

半蔵門線:

セツナ殿、ちょっとダミーの図書館で草の本見つけるところ撮りたいでござる。

ウロブルにカモンでござる。

拙者忍び故、動画はNG……副業禁止つらたんでござるよ……。

ソーダ:

まあ回らない寿司行こうか。

半蔵門線:

本来それもアウトでござる。ソーダ殿のおうちで飲むでござる。

ちょっとすみませんと言って、打ち上げパーティーを抜け、ウロブルに来た。