軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

164.草の本

検索するとすぐ出てきた。

こっちを検索してから探せばよかったな。この間のすっぱいとかなんとか言う異名があると聞いた時点で。

草って忍者の異名なんだね……。

教える前に読み解くことにしよう。

なんでも、代々領主に仕える忍びの者がいた。彼らは特殊な術を使い、闇夜に紛れて任務にあたる。陰になり日向になり領主一家に仕えていたのだ。そう、大昔にはきちんとした地位を確保されていた。

だが、時代を追うごとに、その特殊な術で、影の任務を負うことが多くなっていく。

やがて忍びは、歴史の表舞台からその姿を消したという。

今もローレンガのどこかで忍者マスターが継承者を待っている。

忍者マスター……。

笑いそうになったわ。

火遁の術とか色々書いてあるんだよ。ふふ。水遁もある。これ、こまめに魔法育ててた半蔵門線が正解のやつだ。

そして最後に書いてある文章に目が留まる。

うーん。とりあえず行ってみるか。

「すみません、これ貸し出しして、友人に見せてもいいですか?」

「……構わん」

セツナ:

半蔵門線さん、至急ローレンガの冒険者ギルドに集合です。

半蔵門線:

ちょっとソロ狩りの途中なので、30分後でいいでござるか?

セツナ:

忍者になるのが遅れるだけですけど。

半蔵門線:

八海山!!! クラン集合ナウ今すぐ!!!!

ござる忘れてるでござるよ。

本の最後に、『好物はよもぎ餅。ヨモギの採取依頼を出す』と走り書きのようなメモがあったのだ。

渡し船を使って冒険者ギルドへ。

ギルド掲示板を眺めていると、あった。依頼料金激安。1000gで100シェルって誰も受けないなぁ。

なんてことを考えていると、パーティーが飛んできた。パーティー名『ニンニン』。隠れないタイプの忍者。

『セツナ殿ぉぉぉぉぉ!!!』

『とりあえずそこのテーブルでこの本読みましょう』

『く、草の本っ!!!』

『あーやっぱり半蔵門線さんが最初に見てたら気付くんですね。俺、あのカミキリ事件のときにタイトルは見てたんですけどスルーしちゃってて。今日は木魔法調べに来て見つけました』

一応言い訳したけどこっちの話まったく聞いてないや。

『読み終わったら、最後のメモの通りそこの掲示板調べるといいですよ』

貸本屋の机の倍速読みがないから結構時間掛かるのな。

『あとで図書館でも同じ本があるか確認しないとですね。貸本屋はたぶんみなさん入れないと思います』

他の都市で『本好きの証』もらえないと入れないやつだと思うんだ。前にアキヒトが言ってた。店主が気まぐれでって。

『忍者志望のお友だち多そうですし』

貸本屋はできうる限り教えないぜ。

ちなみに、八海山も来ていた。

『セツナ君は忍者職取る?』

『いいえ。俺は付与の方やるつもりなので』

『じゃあもうヒントはあるんだろう? 置いていったらいいよ』

『本返してもらったらそうします。その足でウロブルの図書館に行ってみようかと。同じ本が図書館にあるか確かめておきます』

貸本屋対策のために。

『セツナ殿! ありがとうでござる!!』

『いいえ、そこにヨモギの依頼書あったんで頑張ってください』

『拙者、忍者王になってくるでござるー!!』

ということでここでお別れ。と思ったら、八海山も一緒に図書館に向かうことにした。パーティーそのままで行ったのでパーティーチャットでお話だ。

『セツナ君、図書館クエスト終わらせたのかい?』

『いやーそれが前に図書館でアルバイトして、そしたらアンジェリーナさんが許可証をもらってくれるって』

『それはよかったね。……随分仲良くなっているように思うけど、フレンドにはならないんだね……ってごめんごめん。そんな顔しないでくれ』

俺も思ってたことをズバリ言われた……そうなんだよ。今までアランブレでホイホイフレンドになってきた面々を思うと、アンジェリーナさんとフレンドなれてもいいと思うんですよぉぉぉ!!

『クールビューティーの考えは読めないです……まあ、このまま本読んだり、クエスト受けたりして、好感度上げて行きますよ!』

『セツナ君はミュスのことなんかも含めて、我慢強いというか、コツコツ真面目に地道にできるタイプだよね』

『うーん、興味のあることなら? ないと別にどうでもいいというか、飽きたらすぐやめますね』

『まあ、このゲームが性に合ったのならよかった。ソーダが誘うのが強引だったかもしれないと一時期言っていたから』

『あー、ゲームは嵌まりそうで嫌だったんですけど、これはまあ、睡眠時間削るわけじゃないから、まだいいかな? 見事に嵌まってますけどね~』

アンジェリーナさんにね!!

ちらりとみたアランブレの図書館とは少し雰囲気が違った。ローレンガが近いせいか巻物類が多くて、棚が細長い四角が無数にある棚とか、和綴じは装丁がしっかりしていないものが多いから、縦置きでなく、横に並んでいるものもあった。保存って大変だなぁ。

さすがにここで目当てのものを探すのは難しいので、司書さんに聞いた。

「草の本、という本はありますか?」

「草の本、ですね……少々お待ちください」

そうしてやってきたのは見事同じ本でした。つまり図書館経由で後続の忍者たちを、忍者マスターのところへ送り出すことができる。よかったよかった。

動線を確保したことをパーティーチャットへ流すと、今半蔵門線はヨモギ採りに必死だそうだ。ヨモギがなかなか採れないと言う。妨害鹿がいるらしい。

『今度鹿肉食べるでござるよ!!』

それは、だいぶ狩ってるなあ。

『そういえば、アリで傘を作るのはどうなってるんですか?』

『せっかくならみんなでと言っていて、数が多いからね、もう2、3日掛かるそうだよ』

『なら、やっぱり【鑑定】出しにいってこようかなぁ』

あのスキル欲しいのだ。

『鑑定を出すのは大変そうだが、もしかしたら普通に正規ルートの方が早いかもしれないな、セツナ君は』

『正規ルート?』

なんと、【鑑定】を得る方法、本来の方法があった。あそこで当たり外れドンするのは、ショートカットルートだそうだ。依頼を受けて依頼をこなして、それで鉄鉱石割りをすると多少確率が上がるらしい。

『結局鉄鉱石掘りはしないといけないし、割って【鑑定】を出す作業はあるけど、確率は少しだけ上がるそうだ。どうする? 教えていいかい?』

教えてもらうことにした。