軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

123.ヴァージルの宿題に取り組む

昨日はぎょろちゃんを撫でる会のあと、そのまま大型パーティーを組んで、狩りに連れていかれた。

いろんなタイプの戦士やら魔法使いやらを見せてもらって、とても興味深かった。

クランにはいない、弓師がいた。

弓師は武器の中でも矢を作る生産職が多いそうだ。自給自足という話。

その矢を作るときに、たまにレアの矢が出来るそうで、それが、軌跡に星キラキラエフェクトがかかる、面白い仕様。

効果はあるのかないのかわからないそうだ。

目立つからいいとのこと。

敵は強いはずなのに、一瞬で沈められてて見ていて可哀想だったよ。デュラハンっぽかったんだが。

八海山のスキルが効いてた。

で、今日は、ヴァージル先生の宿題をこなしにやってまいりました。

先日は亀だったが、今日は花だ。

これは昼間じゃないとマップに少しやっかいな敵が出るから気をつけるようにと言われていた。

多分俺1人で行動することを想定して考えてくれているやつだ。

ウォーキングフラワーという名の花。つぼみの状態だと属性がわからないが、その正解の属性を当てられると花がぼとりと落ちる。

ただ、今回はそれだけ。それが何になるとかはハトメールには書かれてなかった。

【属性看破】を育てるためだけの花ということだろう。ヴァージルが一緒ならレインボーシータートルで一石二鳥を狙うが、俺だけなら安全にやっておけという気遣い。

クランハウスで準備しているところにソーダがログインしてきた。

「よー、昨日は悪いな、巻き込んで」

「いや、構わないよ。こーゆうのがゲームなんだし?」

「動画のコメント欄チェックはしてるけど、まあだいたい概ね受け入れられてる感じだな。おかしなのはそこまで来てない。ただ、もうしばらく身辺に注意しておいてな」

「おう」

「で、どこ行くの?」

「ヴァージルから宿題出てるから、ウォーキングフラワー行ってくる」

「あー、【属性看破】か。1人で行くの? 俺も行ってやろうか」

「ん? 花に魔法打つだけだろ?」

「ヴァージルお前の心配して昼間だけって言ってるのか。あれは、昼間落としたのが夜成長して楽しくなるんだぞ。あんまり時間ないな、行こう」

にやりと笑ったソーダはパーティーを寄越すと、クランハウスを出て行った。

俺も追いかける。

さらに、クランチャットで呼びかける。

ソーダ∶

セツナがウォーキングフラワーで【属性看破】育てるんだって〜夜になる前に暇なやつきてよ!

八海山∶

露店販売、あと少しで終わるから、向かうよ。眠り薬、販売予定数はほぼ完売。

ピロリ∶

ネタクナイノダを今まで隠してたのか、あーだこーだ言いに来たやつ始末したら向かうわ〜

半蔵門線∶

うちで一番強メンタルのピロリ殿に行くのが阿呆でござるねwww 拙者忍者を探してるから夜中あたりに行くでござる。

ソーダ∶

そのために動画編集時、意図的にピロリの強発言削ってんだよw

案山子∶

魔法使いそんなにいらないよね?

俺、今、ばーちゃんに筑前煮習ってるところ。

柚子∶

それ持って呑んだくれストリートに今度行くのじゃ〜

魔法使いいらないじゃろ?

新作作る機会を得たのじゃ!!

ちょっと私はガラス工房に籠もる……。

アランブレから少し遠いが、途中たいした敵がいるわけでもなく、ぎょろちゃんで難なく現地へ集合。

ウォーキングフラワーというだけあって、根をのたのたと動かしながら、そこら中を動きまわる花があった。

というか、花にはなっていない。

まだつぼみ。つまり属性はわからない。

大人の手のひら大のつぼみ。そこから肘までが茎。途中両側に大きな葉っぱ、そして根が生えている。

この根が動いた。

『それじゃあセツナ、頑張れ。夜になったら呼んでくれ。それまで俺は掲示板巡回』

『えー、何しに来たんだよ〜』

『俺の出番は夜になってから。たくさんつぼみ落としておいてな!』

【属性看破】が少し育って来ているので、レインボーシータートルをやったときよりは属性の当たりを引けるようになっていた。

少しだけうっすら属性の色のようなものが見えてきたのだ。

それは昼間でも同じだった。ぼんやりと仄かに光っている。

とはいえ、火はわりとわかりやすいが、たまにオレンジ色よりだったらしく、外れるときもある。そうなると俺の持っている属性ではどれも当たらなくなる。雷は黄色だし。

ファマルソアンに言われた通り、無属性の【ダークストライク】もきちんと打つようにした。そうしたら当たる。レインボーシータートルも、これはどれも当たらないと諦めたヤツの中に、無属性がいたんだろうなと思った。惜しいことをした。

リンクモンスターでもなく、ただぞろぞろと歩いているだけで、しかも数が結構ある。

日没まで2時間ほどだったが、かなりの数を落とした。

そして、ドロップは手に入らない。

つぼみがドロップかと思ったが、落ちたつぼみは地面に吸い込まれるようにして消え、茎から下は枯れて萎れて、同じように消えてしまうのだった。

八海山:

到着した。そろそろ日が暮れるが、どこら辺だ?

セツナ:

真っ直ぐ奥に入っていってます。ソーダはそこら辺いるらしい。

八海山:

日が完全に落ちる前に合流したいが……

セツナ:

じゃあ、入り口に向かいますね。

ということで移動。

ピロリも到着したと一報が入る。

『セツナ、どんくらいやった?』

『え、わからん。ドンドン来るからかなりやった。外れても次々落とせばよかったし? MP切れたら座ってたけど』

座って休憩すると回復速度が上がるのだ。

『数、数えてないのか』

『50は軽く』

『……は?』

ソーダ:

合流急げ。50以上。

八海山:

セツナくん張り切りすぎだよ……。

半蔵門線:

あと10分ほどで着くでござるので、入り口にいて欲しいでござる。

ピロリ:

属性何でやってたのよ~!?

セツナ:

え、6属性。魔法使いギルドで手に入るやつプラス【ダークストライク】だよ。

ソーダ:

属性絞ってるのかと思ってた!!

ピロリ:

6あればそりゃ当たる率高くなるね!!

走って走ってやっと合流。その頃には完全に日が落ちていた。

八海山のバフがふんわり光っている。

『さあ、気合い入れて行くぞ。基本物理だ。投擲も効く。攻撃メインはピロリの腕力』

『魔法使いなしは久しぶり~』

『【投擲】の経費を要求するでござるよ~~』

『数によっては許可!』

ずるりと何かを引きずる音がした。

『おいでなすった。セツナ、こいつら、アクティブモンスターに変化してるから。【気配察知】で数把握よろしく』

『りょ、了解。え? みんながそんなに警戒するような相手?』

『1体が属性のつよつよパンチしてくるからね~。そのくせ魔法は通じません』

当たったら死ぬヤツだ。