軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

122.騎獣お披露目会

ソーダの動画は各方面に多大な影響をもたらしたそう。

まず、退魔師。

新役職が出てきた。聖職者派生だったことにより、他の役職からの派生を期待する者が、図書館に通ったそうだ。だが、事前に職業キーワードを得ていないので、当てずっぽうで司書に聞いてもわかりかねますと突っぱねられて終わるという。

街の中に点在しているヒントを拾って行くしかなかろうと、予想役職から、拾えそうなところをうろつくユーザーが増えたという。

ござるの仲間たちはローレンガをうろついているらしい。

「絶対ローレンガにあるはずでござるよ~」

とのこと。

俺もそう思うけどね。あるならあの街だろう。

次に、【ダークストライク】の可能性について。

無属性と表示されていたはずの八海山の【ダークストライク】も、闇魔法になったユーザーと同じように、聖属性のツリーに組み込まれていた。

ただ、【ダークストライク】を打つ時に、無属性と、聖属性を選べるようになっているというか、意図しなければ聖属性に。ツリーを触ると無属性に切り替わるようになっていた。

闇魔法ユーザーも、そこは同じだったようだ。新たな発見である。

かといって、火メインに使っている案山子や、氷メインの柚子の【ダークストライク】が、その属性に組み込まれてはいない。

職業に変化があると変わるのかもしれないが、闇魔法使いは闇魔法使いのままだし、保留中。

そして、今回ちらちら写ってる俺について、とうとう新しいクランメンバーということを公表したそうだ。

同時に、ちょっと面白いルートを辿りつつあるし、掲示板などから情報を得ることなくプレイしているので、付きまといを止めて欲しいと動画内で告知した。さらに、その面白いルートの話を検証動画として上げていた。

よくやるよな。

それが、トムぴえんルート、通称ミュスルートだ。

謎の紙切れ大切っぽいな~。他に拾った人はいるか、情報を募ったが未だにないという。

ミュスってなんかあるのかも? という結論に至っているそう。

ミュスの王の動画も上げていた。おかげでとんでもない再生数になっているらしい。

あとは検証大好きな人たちに任せておけばいいよとのこと。

「いやー、まさかのまさかでしたね」

「トレーナーさんがセツナさんだったなんて」

「あ、あのときはリボンありがとうございました」

現在、過疎マップにて、ぎょろちゃんを撫でる会が開かれております。

大型レイドなどがあったりするとわりと協力する、先行クランの人たちだそう。動画で俺のぎょろちゃんを見て、実際見て触りたいとのことでした。

節分イベントの時俺の存在を内緒にしていた罪悪感があるんだということで、頼みを断れず、みんなの騎獣お披露目会が行われた。

「可愛い~爬虫類好き」

「目が黒でぐりんぐりん動いてるの、可愛い~」

「赤水晶あげてもいいですか? 舌が伸びるところ見たい!」

女子がすごくはしゃいでいる。

「ぎょろちゃん大人気ッ!」

「ふっ……可愛いですからねっ! ぎょろちゃんはっ!」

「しかも、ぎょろちゃんは幸運値が高いのじゃ。私のフロストダイスと相性抜群じゃよ」

「ぎょろちゃんは出来る子ですよ!」

「もうメロメロじゃない」

ピロリが笑う。

実際、どんどん可愛くなってる。

唯一の困りごとは、アンジェリーナさんと遠乗りとかできないこと。

「ダインのワシがめちゃくちゃかっこいいんだが」

ロジックのリーダー、オレンジ色の髪の毛にオレンジ色の瞳という、なかなか派手な見た目の男は笑う。

「だろう。俺のワシちゃん、最高。空飛んでるの気持ち良すぎる」

希少な飛行系の騎獣だ。

騎獣は本人しか乗せてくれないので、飛行型に乗せてもらうことができない。ワシに乗ってみたかったなとは思う。

しかしこうやって見ると、馬、虎、狼系が多いように思えた。

「セツナさんのカメレオン、しかもメタルはなかなかにレア度が高いですが、一番はやっぱりドラゴンですね」

前に始まりの平原で見たやつだ。

「ただ、赤水晶の消費が激しすぎるそうですよ。呼び出す時は100は用意しておかないとすぐ移動やめちゃうらしい」

「燃費が悪いのか……」

「ヴァージル殿があげすぎると要求され続けるって言ってたでござるね」

「マジか……おねだりするからついあげてしまう」

周りのプレイヤーがうんうんと頷いていた。

しかし、これだけ揃うとなかなかに壮観だなあ。ぎょろちゃんはずっと撫でられている。本人(?)もまんざらではなさそうなので好きにさせてるけれど。

「他鯖で騎獣の速さとかジャンプ力とかまとめてるところがあるらしいよ」

「騎獣性能とか一覧表になるの楽しみだな」

そしてこれだけ先行が集まると、次の街の話になった。

「アクセサリーがあってやっと美少年も倒せそうです。耐性も6と7がほとんどになります」

6と7なら、もうネタクナイノダがあれば倒せるんじゃないか? と思ったら、クランチャットが騒がしくなる。

ピロリ:

売るなら今じゃない?

ソーダ:

だなぁ。売ってやるかぁ。眠り薬も結構たまってきたし?

八海山:

ある程度先行プレイヤーがいる方が、俺たちが拾い切れていないクエストも拾ってくれるだろうし。

柚子:

どっち売りつけるのじゃ?

ソーダ:

うーん……眠り薬、かな?

ということで交渉が始まった。

目の前に出された眠り薬。

すでに次の街への道は開いているらしい。ということは錬金術師のカクさんとも知り合いなのだ。

ただ、どうやら錬金術師とはわかっていない?

それぞれのクランがソーダから眠り薬を買い求め、次の指示を大人しく聞いている。

「ミトの知り合いの薬屋いただろ? あいつに、『眠り対策出来るような薬がないか聞いて回ってる』って言ってみるといいよ」

「そうなんだよ。街の薬屋にそういった薬がないか探してたけどなくてさ」

「あいつだったか……」

「これで、たぶん美少年攻略が浸透し始めるから……みんな頑張って眠り対策アクセサリを早く揃えたところが勝ちだな」

「いや、勝ち負け……儲ける話か」

「そそ。ここでどれだけ資金を貯められるかって話だよ」

頷くソーダ。

「ちなみに今日から眠り薬販売開始します」

「八海山!! 一日待ってくれよぉー!!」

「うちもクランハウス内充実させてきたから、金がなくてな」

「ちなみに他の材料も必要なのじゃ」

「柚子ちゃん……教えて……」

「だめなのじゃ」

「マスターのところかなり美味しい思いしてるじゃんかぁ……!!」

「そろそろウロブルへの道開かれるだろうし、美少年倒して、退魔師手に入れて、頑張ってくれ」

そうそう。ずっとウロブルへの道への橋が落ちてるって言われてるんだよ。

「ミュス王にも会いたいしなぁ」

「下水道への道が見つからん」

ああ。そういえばピロリも言ってたな。

「あそこには俺も2人と一緒に行ったことしかないから」

「衛生局の2人と仲良くならないとミュス王には会えないってことか……」

いったいどこでどんなフラグを踏んでいるかわからないので、なんとも言えない。