軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

116.双子座の加護の秘密

「ふぁっ……お前、まさか」

ソーダが口元を押さえて震えている。

顔がにやついていた。

「な、なんだよ」

「まさかとは思うがお前、双子座の加護もらった?」

「ああ、お祈りした。最初行ったときはもらえなかったけど、2度目に……ヴァージルと……」

「ちょ、セツナくん無自覚で……いや、でも、すごくいい加護よ。普通に良い加護。私知らなかったころにもらったから~八海山となのよねぇぇぇしくじったわー」

「俺は、まだもらってないッ!」

「私もまだなのじゃぁ~ペアで行くなら耐久ゴリラ戦士か、耐久ある程度の聖職者と思ってとってないのじゃ。クラン狩りメインだから意味ないし」

「拙者ソロの多い忍びゆえ、ないでござる」

「なになになにーっ!?」

「加護の説明読んでみろよ」

加護の欄、双子座に触れると、ポップアップが。

『一緒に加護を得た者と狩りをすると、ドロップ率アップ。同性同士だとさらに増大する』

俺の中に、いくつものシーンが甦る。

マッスルポーズをする双子座の彫像。

『寛容が過ぎるところもあるがね』

『お互い好きすぎるのよ』

『ふふふ』

『もしかして、加護いただいた?』

『そんな気がするのよ』

『ふふふ』

ふふふと笑う奥様方。

「腐腐腐かぁああああああ」

「ペア狩りでしか発動しない加護なのよねー」

「友人同士で普通に加護もらってる人もいるからね、セツナくん」

「でも、せっちゃんはヴァージルさんとでラッキーじゃろ。これからも一緒にうろつくんだろうし」

「NPCとお祈りする人を見たのは初めてでござるよ」

「ビッグゴールデンフリースの金羊毛、2つ出たとか!?」

「さすがに1つだよ」

まあ、双子座の加護は前向きにとらえることにする。

牡羊座の門を開けるときに、金羊毛が必要になるのでは? という話をしたら、みんなそれは想定していて、なんと、クランハウスのストレージに保管してあった。

「セツナの分ももうとってあるから、それは売っちゃっていいぞ。投げ売りはするな」

「ありがとう。露店の値段調べるのは解禁したから、ちゃんと調べて売る」

とりあえずは、モヤシラだな。

フレンドチャットへ持っている個数と希望価格を書いて送信。

『欲しいっ! というか、うちの店でも欲しがってるから、NPC好感度上げるのに売ってもいいと思うよ!! その場合露店価格でも売れるし。白とかクリーム色は普通に需要高い。その後染められるからね。色つきは色つきで淡い色が多くて好まれるからそれなりで売れる。そして、金羊毛。これは、私も欲しいけど~70万シェル今もってない~ちょっと色々作りたい物あって買っちゃったから……』

『別にとっておいてお金入ってから売るでもいいですよ』

『ぐっ……いや、お貴族様からの注文で、金羊毛を買い付けないとって話を師匠がしてたから、売ってあげてください……』

ということで、お店に繋いでもらった。

「やあ、久しぶりだね」

「先日はありがとうございました。ベッドも、ソファもふかふかで最高です」

カミラおばあちゃん相変わらず元気そう。

「それで、羊毛を売りたいとか」

「はい、どうしましょう、取り出しますか?」

「来訪者は便利だね、こっちの籠に頼む」

奥へ連れて行かれ、大きな空の籠がいくつもおいてあった。

俺は持っている羊毛を色別に出す。そして最後に、金羊毛。

「これは見事だ。110万シェルでどうだ?」

「えっ!? 高くないですか?」

露店90万だったはずなんだが……。

「美品だから、110万でもうちは嬉しいよ」

『たぶん、【ひと突き】の攻撃だけで仕留めたからだと思いますよ。毛に傷がないので』

俺の【ひと突き】じゃ無理でヴァージルの【ひと突き】で倒れたんだけどね。

色つき羊毛は全部合わせて。

白とクリームが少し高めで850シェル、他の色つきは650シェル。合わせて19万1500シェル。金羊毛もプラスすれば129万1500シェル。

え?

おおすぎん? いや、ドロップが多すぎるのか。それでも、羊毛高いな。嬉しい。武器修繕貯金溜まったし!!

『普通の羊毛の方も【ひと突き】で仕留めているようで、品質がよいというのもありますけど、羊毛もともと結構するんですよ~』

「いい取引をありがとう。羊毛も金羊毛もいつでも買い取りするよ。モヤシラに連絡くれてもいいし、店に直接来てくれてもいい」

「こちらこそ思わぬ臨時収入になりました。ありがとうございます」

えー嬉しいというか、え、真面目に狩りするとこうなるの……いや、これ2人分だ。さらにドロップ率増加かかってる。この同性によるドロップ率増加(あくまで同性による)の率がなかなか高いらしく、普段なら1/4とまではいかないが、1/3くらいだそうだ。となると、43万シェル。これ、毛のみで。まあ、金羊毛出るとは限らないが。

角や肉を考えると、ミュスより儲かるな。なんて一瞬考えてしまいましたね。

ふっ……奴らは根絶やす。そう決めたんだ。

趣味は趣味。ライフワークミュス撲滅。

ということで、ログアウトまでの時間はアンジェリーナさんのところからの、ミュス狩りだ~!

あ、その前に魔法使いギルド行こう。

オワコン言われたが、炎を纏った剣とか、薙ぐと雷が走る剣とか、めっちゃいいやん。俺はやるぜっ!

魔法使いギルドの屋根の色は、紫でした。

魔女っぽい。イメージね。

「すみませ~ん」

「はい、どんなご用でしょうか」

ギルドの中はどこも同じ。カウンターがあって、その周りには品物がいくつか。初心者シリーズはチュートリアルの時もらうものだが、その後の駆け出しの~と付く武器や防具を売っている。

壁にはタペストリーが掛けてあった。ローブを纏って杖からビーム出している老人の絵だ。

「あちらはローハンザラハル様の冒険譚の一節ですね。ご存じですか? 偉大なる魔法使いローハンザラハル様を」

どこかで聞いたが、何だっけ? 曖昧に微笑んでおいた。

「あの、俺、魔法使いに、なりたいですっ!」

ちょっと恥ずかしいなこれ。

「転職をご希望ですね。今装備されているものは……全部その後も着ていられるものばかりですね。では、IDをご提示ください」

よかった、そんなこと全然考えてなかった。危うく、転職した途端服ナシとかになるところだ。まあ、そうならないように、ギルド職員が見てくれたんだろうが。

IDカードの上に奥から持ってきた銀色のプレートを置く。

ぽわんと光ってIDカードを差し戻された。

「それでは魔法使いとして頑張ってください」