軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

104.退魔師と幽霊

クランハウスに戻ったとのことで、俺もぽちっと帰還。

全員が揃ってた。クラン資金調達定例狩りだったそうだ。

「いやー、騎獣あるとマップ移動早くてヤバイ」

「移動時間短縮すごいわよねー」

髪の毛の戻ったピロリは絶好調。

「で、セツナ! 新しい職業って何!?」

俺はみんなに本を披露する。

「退魔師。魔を払う職業だけど、この場合の魔は、悪魔よりも幽霊系っぽい」

「幽霊……」

おやおや、八海山の様子が変だぞ。

「職的には、八海山から生えるスキルなのかなぁ~と思いつつ。色々調べてみたいけど、たぶん幽霊屋敷巡りとかしないとダメなんだよね」

「幽霊屋敷……」

みんなでテーブルに座って本を囲んでいるのだが、いつも軽く揺れている八海山の尻尾が見当たらない! と思ったら、丸まってた。感情に左右される獣人族のモーション面白い。

「あの後ローレンガの幽霊屋敷三軒教えてもらったんだけど、ちょっとその話をもう少し詳しく貸本屋で調べてからかなあとも思ってるんだよね。どうする? 今から行ってみる? それともまた別日にする?」

「私はこれからお貴族様の屋敷に行かねばならぬのじゃ~」

柚子は先日の香水店からの申し出を受けたそうだ。

お貴族様に一度ご挨拶に行くところまで話が進んでいた。

「でも私も幽霊見たいのじゃー!!」

「なら明日かな? 別に夜中に行っても構わないだろうし。俺、図書館クエスト終わってるし、この後図書館行ってみる」

「私も~! なんかないか探しましょうよ」

「本読んで探すのなんて、初めてかもッ!」

「わりといろんな人が図書館で捜し物はしてるらしいでござるけどね。貸本屋もスレ全検索かけたら出てきたでござるが、金払うくらいなら図書館行くわで終わってたでござるよ」

「まあ、普通そうじゃなぁ。金払ってよりは、クエストこなせるし、司書に聞けば本持ってきてくれるしな」

貸本屋も聞いてあれば教えてくれるけどね。

「じゃあ今日は時間あるやつは退魔師と、幽霊について本を調べて、明日ログインしたらすぐに行こうか」

「了解ッ! あ、セツナくんがこの間くれた牛肉で牛丼作ったから持っていってね」

わーい、EP回復というよりも牛丼食べられるの嬉しい。

ちなみに、不思議とお箸などのカトラリーは欲しいと思ったら出てくる仕様。飲むわけにいかないしな。

八海山に再びポータルを出してもらって、貸本屋さんへ。

この本には幽霊と対峙し、内なる力で魔を退ける。とあった。やり方を書いてあるわけではなく、幽霊とは、この世に、または特定の人物に恨みを持ったり執着し、星に還ることのできなくなった人の魂であるとあった。

そう。

この世界の宗教星座神だからね。

死ぬと星に還るらしいよ。

世界観は強引に混ぜてきていますね。

星々の力を借りて幽霊を星に還すのが退魔師の力らしい。

星々の力は、借りてるよね。八海山が唱えてるのは何度も聞いた。

ヒールぶつけてやれば浄化するとかじゃね? と簡単に考えてみる。

「こんばんは~」

お昼を越えて午後四時である。ここの店は何時までやっているのだろう。

「お、早いお帰りだな」

「本ありがとうございました」

「なんぞためになったか?」

「はい! ということで、また本を借りて読みたいんですけど、幽霊とかに関するお話ってどこら辺の棚にありますか?」

すっと渡されるんじゃなくて、俺もタイトル眺めて読むもの決めたい。

「ふうん、そうだな……」

立ち上がって左手の棚に行く店主。

「ここら辺が幽霊。その隣が妖怪。化け猫系はこっちだな」

むむ? 化け猫だけ別枠。

匂う、匂うぞ!! NPCがこんな風に言ってくるのは要注意だろ。

いちいち本をどかして見ないといけないのがすごく手間だが、おかげでかなりの収穫。

さっきアキヒトが教えてくれた、番町皿屋敷のお菊さん、四谷怪談のお岩さん、累が淵のお累さんのお話をゲットした。それぞれ1冊本になってるし。

ただ、番町皿屋敷、とかそういった風には書かれていない。

『古井戸の怪』

『幽霊怪談のイワの霊』

『呪いの累』

物々しいな。

他にもあるが、ソーダたちも幽霊に関しては調べると言っていたので、俺はそれよりも化け猫の方に興味があります。

『油を舐める化け猫』

『化け猫百科』

『お猫様の町』

『化け猫大好き』

『猫ちゃんと俺』

おい、後半おかしくなってきてるぞ。

ぬこ様に支配された運営おるぞ!! いや、AI生成なら世の中にぬこ様の僕がたくさんいるということか。

『化け猫の生りたち』

なんてのもあった。

今回は妖怪はおいておくとして、ここら辺をごそっと借りる。

「おう、まいどあり。熱心だな」

「本を読むのはとても楽しいです」

「学ぶ姿勢があるってのはいいことよ」

倍速読みでもかなりの時間がかかってしまった。

でもおかげで色々な幽霊について学ぶことができた。

塩は幽霊に対してとても有効だということ。

退魔の書をもって、幽霊は払われる。聖典とかかな? 確か八海山の武器本なんだよね。

または、幽霊の恨み辛み、執着の元となっているものを解決してあげて、星に還すこともできるそうだ。

つまり、払うか浄化ってやつかな。

とにかく塩持参で行かねば。

化け猫の方は、どうやって化け猫になるかとか、二股の猫又に書かれていたり、良い猫又と悪い猫又についても書かれていた。

良いタイプは可愛がって可愛がってされて、長生きしちゃったやつ。

悪いタイプはまあ、人を食うよねー。そして化け猫。人に化けてまた夜な夜な人を食らうそうだ。

人を苦しめるともあった。

化け猫気になるわぁ。

かなり遅い時間になってきたのでお礼を言って本屋を後にする。

時折クランチャットで発見したものが流れてきた。

柚子もお貴族様とご挨拶が済んだそうだ。ちなみに、お貴族様、イェーメールでなくアランブレのお貴族様だったそうだ。

まあそうか。

イェーメールのお貴族様って言ったらヴァージルの親類だぞ。きっと。

イェーメールに店舗があるが、本店はアランブレらしい。たまたま柚子がガラス工に弟子入りできたのがイェーメールだっただけで、納品はそちらになっているという。

ローレンガ周辺で狩りで時間を潰すことはできないので、クランハウスに帰ってミュスちゃん始末しに行くかと思ったが、そうだ、飯を食おう!!

ということで『湧き水亭』へ。

「こんばんは!」

「らっしゃい! おう、セツナさんか! 久しぶりだなぁ」

ホント久しぶり~。

今日は何を食べようかな?