軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

103.新しい職業

みんなの頭に髪の毛が戻ってきた。

まあよかったよかった。これ、かみのけ座の宝珠の出番終わりなやつ? でもまた同じような流れでカミキリ発狂イベントとか来たら困るから持ってよ。

ちなみに市場は大暴落したらしい。

まあそれはそうだよ。

4月2日になったときが最高値だったそう。

ストール巻いてるのはなかなか面白かったけどな。モヤシラからストールいる? という連絡も来ていた。

こっちはこっちで爆売れだったらしい。

さて今日はローレンガの貸本屋。この間は目的があったからそれに飛びついたけど、今日はどんな物があるのかよく見たい。

あとはまあ、忍者関連あったら教えてあげようかなと。

とうとう半蔵門線の忍者装備が完成しておりました。めちゃくちゃ嬉しそうに披露された。

「お邪魔しまーす」

「お、この間の」

「セツナです。おかげさまで助かりました」

「来訪者の頭に髪の毛が戻ったらしいな。あと、遊郭跡地になんでも、飴屋ができたとか。古い空き家が多いからなぁ……少しでも人の手が入るならそれでいいさね」

妖怪の手が入りました。

「今日はなんかまた探し物か?」

「いえ、この間は時間がなかったので、今日はゆっくり読みたいなぁと」

「ホントにたいした本の虫だな。まあゆっくりしていきな」

店主の許可をいただいて、棚を眺める。

和綴じ本なので、背表紙にタイトルがない。なので棚は今までにないほど荒れていた。本が山積み。巻物も山積み。

1つ1つ眺めないといけないが、まあそれもまた一興。

アランブレと同じように街歩きの本もあった。

あとは、周辺モンスター。水の話、ニホン酒の話。

完全な和ではないが、和裁の話なんかもあったし、和テイストだ。これ、中華テイストな街とかもありそう。楽しみだな。

基本は第1から第3都市は西洋風だったから、その路線ではあるんだろうけれど。

モンスター、草の本、食べ物、そして幽霊と退魔師というタイトル。

ちょっと面白そう。

『ローレンガ周辺に出没するモンスター』

『愛すべき妖怪たち』

『渡し船の歴史』

『幽霊と退魔師』

『ローレンガ三大怨霊』

また席を借りて読む。

三大怨霊は同じだった。崇徳天皇、平将門、菅原道真。

愛すべき妖怪は、ニホン画で描かれた妖怪たちがたくさん。カミキリの絵もあった。

さて、退魔師だ。これは、これはちょっと来たかもしれん!!!

「すみません、この4冊は返却です。この1冊は借りて帰っても大丈夫ですか?」

「ああ。大丈夫だ」

「それで、友人にも見せてあげたいんですが……」

「なんか興味深いものでも?」

「はい」

退魔師、エクソシストとはちょっと違うのかな? 幽霊を祓うってあった。それでも聖職者、魔法使い系!!

新しい職業の予感!!

「丁寧に扱うなら構わん」

やったー!!

アンジェリーナさんの貸本屋と同じで、借りていけるらしい。

よーし、クランメンバーにお披露目だ。

以前ソーダに、基本職以外に職業はないのか聞いたのだが、名前は出ているが実際転職したという話は聞いていないとのことだった。

そのとき出たのが、賢者、武闘家、僧兵、テイマー、召喚士など。ああ、あと熱望忍者ね。

図書館で職業文献を漁っている人もいて、他の職業があるらしいとまではわかっている。

たぶん、まだ始まったばかりで二次職的なものは導入されていないのだろうと話していた。

職業予想スレとかがあるらしい。

掲示板、ちょっと覗きたくなるんだけど、たぶん覗きだしたら全部みたくなるだろうし、それはそれでつまらないなあと思うので、プレイ中にもたらされる情報だけ、でいきたいという気持ちも強い。

挨拶をして、本を大事にしまい込み、店を出る。

どちらにせよ、二次職は何かしらのクエストを見つけて、ステータスやそれまでの功績などでその役職に就けるだろうと予想されている。

セツナ:

八海山、退魔師に興味ありませんか?

ソーダ:

おっ!! 役職情報!?

セツナ:

本借りてきた。

八海山:

どんな職業なのか見てみたいな。

セツナ:

時間のあるときにクランハウスにでも。

八海山:

もう1時間くらいしたら狩りも終わるから向かうよ。

今はクラン狩りらしい。

なら、もう少しこの辺りをうろついてから帰ろう。

この『幽霊と退魔師』は、退魔師の役職のヒントになり得ることが書いてあると思う。

退魔師とは、字のごとく魔を払う者だ。ただ、この場合の魔が、悪魔系統でなく、どうやら幽霊らしいことが書かれていた。

つまり、ゲーム的に言えばレイス系。

ローレンガが和テイストなので、ここで見つかった職業となれば、幽霊が関係してくるのではないかと睨んだ。

もう少し幽霊関連書籍を読みたかったが、ちょっとウキウキしちゃって出てきてしまった。またこの本を見せたら返しにいったときに幽霊関連漁りたい。

幽霊が出るダンジョンとかあるのかなぁ。

と考えたところで俺はハトメールを飛ばす。

ローレンガに詳しい案内人と言えば!

「よお、セツナ! 幽霊屋敷に案内して欲しいって?」

いや、そこまで言ってない。

「今日は時間がないので、そんな噂のある場所を教えてもらえたら」

「そうか。ローレンガ幽霊スポット巡りしてやろうと思ったんだが」

アキヒトさん、なんか結構仲良い感じなんだよね。まあ、甥っ子助けたアドバンテージがでかいんだろうけど。

船を縄で繋ぐと、アキヒトはひょいと陸に上がる。

そして懐から地図を出してきた。

「有名どころは3件かなあ。なんでも皿を割った女中がひどく叱責されて井戸に身を投げたとか」

知ってます知ってます。お菊さんか。

「その古井戸に出るってのがここ」

俺のマップの方も光る。

「次がなんでも旦那が浮気をして、薬を盛られ、そのせいでひどく顔が腫れたとか。やがて亡くなって恨みを持った彼女は旦那のもとに現れ彼らを呪ったとのことだよ」

お岩さんね。結構色々あったと思うけど、簡単にまとめてくれてる。ゲーム内はシンプルになってるのかな?

「最後が醜く産まれた子が、やっと祝言を挙げたがそこから旦那が冷たくなり、やがては川の淵へ突き落とされ亡くなってしまう。旦那はその後も後妻を娶るが、最初の妻の幽霊によって後妻たちも次々死んでしまったという話」

累ヶ淵っすね。おうおう。

これ、八海山大丈夫かな?

退魔だから聖職系からの二次職というか、スキルツリーが伸びるタイプかと思って、八海山に聞いたのだが、ううん。怖いかも? 尻尾丸まっちゃう?