作品タイトル不明
第223話 友人たちはこう思った
午前の授業が終わり、昼休憩。
和也とセレスティーナさんは家族水入らずで昼食を取るため、外に向かった。
そんな中、俺と葛西さんはふと彼らに思うことがあると気がついた。
「なんかさ、思うんだ。理想の夫婦って何だろうってさ」
「あいつらみたいなことを言うんじゃない?」
「それは私も思う。二人で寄り添って、でも相手の意思を尊重して。ほんとあの二人って凄いんだなって」
筆舌しがたいが、ツーカーというのだろうか。
互いに分かり合って、でも言葉は忘れない。
10年と戦場で生まれた絆、それがあの夫婦にひしひしと感じさせる。
「まあ、俺たちより10年長く生きているからなぁ」
「10年かぁ」
2年間は戦場で、そのあと結婚しても戦い続けて。
俺たちには想像し得ないその期間。彼らはどう過ごしたのだろうか。
「考えてみたらさ、すごく怖かったんだとね」
「何が?」
「自分のパートナーがさ、死んじゃうかも知れない戦場に何度も行くのが」
その言葉に自分も考えてみる。
例え強くとも、戦場に絶対はない。そんなところに自分のパートナーが行くと言ったらきっと止めるだろう。
「セレスティーナさんたちってさ、立場もあったからきっと言えなかったんだよね」
「……だろうな」
「だからさ、思うんだ。きっとあの二人、我慢することに慣れすぎて、我慢している自覚がないんじゃないかな」
「というと?」
「下世話な話になるけどさ、あの二人ちゃんとそういうこと、してるのかな?」
いきなりのことに面食らったが、すぐに返す。
「アリシアちゃんがいるんだからそりゃあ」
「でもさ、子孫を残すのは貴族の義務じゃん? 子供一人っていうのは絶対なんかあるって」
そう言われると確かにそうかも知れない。
高校生なのに彼らからそう言った話を今まで聞いたことがない。
まあ、精神年齢が27なことを考えればそこまでなのかも知れないが。
「だからさ、二人のためにもちょっと余計なお世話かも知れないけど話した方がいいって思って」
「本当に余計なお世話だな」
「そんなのわかってるよぉ、でも、二人にはもっと仲良くなってほしいんだ」
気持ちはわかる。
俺も一番の友人は誰かと言われたら和也の名前を上げるだろう。
そんな友人にはよりもっと幸せになってほしい。
「そうだな。俺もこのバカップルがってツッコミたい」
「でしょ! 協力して!」
そうして俺たちは秘密の作戦会議を始める。
そんな昼下がりだ。