軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第222話 渚沙の一日

朝、渚沙くんへのご飯も終わり、和也たちが学校に向かう。

私は渚沙くんを連れて玄関までお見送りをする。これが渚沙くんがやってきてからの我が家の日常だ。

「それじゃあ母さん、今日もお願いね」

「ケインは今日は午後からやってくるようなので、それまでお願いします」

「分かったわ、それじゃあ気を付けてね。ほら渚沙くんもママたちにばいばいって」

「あ~う、ば!」

和也たちはしばらくの別れを惜しんでから学校に出かけた。

扉が閉まる。すると、それがわかるのか、渚沙くんはちょっとだけ暗い顔をするのだ。

「大丈夫よ渚沙くん、私がいるわ」

そう言ってあやしても表情は変わらない。

母は偉大とよく示していると思う。

「……あう」

「ママたち帰るまで目一杯遊びましょう」

しばらく一緒に遊ぶ。

渚沙くんの最近のお気に入りはボール。

ボール遊びは1歳からかと思っていたが、なんでも触覚や音で楽しむものもあるそうで、試しに買ってみたら大ハマり。

一緒に転がして遊んだり、握ったりして遊ぶ。

しばらく遊んだら少し早いがお昼寝の時間。

大体一時間から二時間程度寝てもらう。

「……すぅ」

夜はどうかは知らないが、この子は途中で起きたりぐずることはあまりない。

唯の時なんて大変だったのに……。

行けない行けない、やることやらないと。

お昼より少し前、今日は少しお散歩をする。

といっても、少し歩いて近所の公園で過ごす。それだけだ。

ベビーカーを準備して、渚沙くんを乗せる。

その時セレスさんのストールを一緒にするのを忘れない。

やはり少し外は不安なのか、安心できるものが必要なようだ。

「今日は桜を見に行きましょう。散り際も綺麗よ」

平日の昼間ということもあって人はいない。

思う存分のびのびと過ごしたら、家に帰りご飯。

時間的にそろそろだろうか。

そう思ったタイミングでインターホンが鳴る。

「チヒロさん、遅くなりました」

「全然大丈夫よ、ほら渚沙くん、ケインさんが来たわよ~」

ケインさんが呼びかけるとそちらの方に顔を向ける。

この子は本当に賢いようで、誰が呼びかけているか判別できるように反応を示すのだ。

「う!え!」

ケインさんが来た頃に離乳食。

またこの子良い子で、嫌がらず食べてくれる。

和也の時はこうはいかなかった。

離乳食を終えたら遊び相手をバトンタッチ。

ケインさんは魔術を使って渚沙くんと遊ぶ。

なんでも魔力量が凄まじいらしくて、小さい時から魔力と触れ合うことが良いのだとか。

「渚沙様、今日は風の魔術で遊びましょうか」

「あう、あ?」

「お空をちょっと飛んでみましょう」

そういってケインさんは渚沙くんを宙に浮かせる。

落ちないかの心配もそうだが、やはり魔術というのは不思議だ。

風や炎、宙に浮くなど様々な現象を引き起こす。

ケインさんは渚沙に色々な風を当てて遊んでいる。

それを後目に私も家事や仕事を片付ける。

そうこうしていると、太陽は傾き、カラスが鳴く。

今日は何も連絡がないからきっとまっすぐ帰ってくるだろう。

「ただいま」

「「ただいま帰りました」」

その声を聴いて渚沙くんは動きを止める。

声のする方へ顔を向け、声の主を待つ。

「渚沙」

「あうあ!」

「今日は何をしてたんですか?」

「あーう、ぶ!」

「そうですかそうですか、楽しかったですか?」

「うー!」

今日も色々な表情を見せてくれたえけど、やっぱり両親といるのが一番なんだなと思う一日でした。